TOP 経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える 社長面接からスタートする企業が選考で重視すること

2022/01/28

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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える

第23回

社長面接からスタートする企業が選考で重視すること

  • 転職
  • キャリア
  • 株式会社 経営者JP ディレクター 兼 エグゼクティブサーチ事業部 部長 国家資格キャリアコンサルタント 米国CCE.Inc認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー 北岸弥恵

 

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ミドルマネジャーから役員一歩手前の方々の採用選考においては、部門責任者、人事責任者、そして最後に社長と会うケースが一般的です。しかし、中にはいきなり社長が出てくる企業があります。
これはいったい何を意味するのでしょうか。

「いきなり社長面接」の位置づけ

一次面接を社長が行う場合、会社の考え方を明確に伝えたいという意思が強く表れています。
背景には、自社の考えに合うことが全てではなく、合わないのであればそれもOKであり、その場合は辞退してほしい、それがお互いにとって良い、という考えもあります。
したがって、ここは選考というよりは、候補者への会社説明会の色合いが強いです。
社長が自社の成り立ちや理念、今後の方向性、募集ポジションへの期待を直接候補者に伝え、対話を通じて候補者に響いているか、共感共鳴してくれそうか、どのような質問が出てくるかを見ています。
とはいっても、あまりにも合いそうにないと思われれば終了になります。

社長面接後の選考で面接官が見ているポイント

二次・三次面接では、部門責任者が業務スキルやスタンス、周囲とのコミュニケーションの取り方など自部門にとって良い影響を及ぼすか・共に仕事をしたい人物かを、人事責任者がカルチャーフィットや全社的なバランスを踏まえながら自社にとって必要な人物かを確認します。社長とは視点が異なります。

 

この際、社長が一次に出てくる会社ならではの特徴として、面接官は候補者が会社理念やカルチャーにマッチしている前提に立ちつつ、より現実的・具体的に候補者のスキルや志向性、「ウチである理由」を確かめていく点があげられます。
一次面接に通ったことで、社長面接をパスしているからこの後も大丈夫だろうと捉えるのは危険であり、むしろ二次・三次面接の方が厳しい選考になることもあります。

 

これらを無事に突破すると最終面接で社長と再度会うことになります。

 

この時社長は、最初に「何か聞きたいことがありますか?」と候補者に聞くことが多いです。すなわち社長がここで見ようとしているのは、候補者の自社への捉え方や貢献イメージがより明確になっているか、ウチで働く理由や具体的な職務イメージが熟成されているか。たとえば質問の内容ひとつにとっても、初回からどう変わったかを重視しています。

具体事例から見えること

うまくいった事例を紹介しましょう。

 

SaaS関連のサービスを提供するA社。そこに業界は異なるもビジネスモデルが近い企業での経験が豊富なBさんが面接に進みました。
一回目は社長の話を聞いている割合が多く、お人柄の良さは伝わるものの、社長自身は「どうかなあ」という印象を持ったそうです。その後、部門と人事責任者との二回の面談を行う中で、Bさんの業務スキルや仕事の進め方がA社が目指している内容に近いことや、なぜA社を希望するのかが非常に明確に伝わってきたとのこと。何よりも、選考を通じてBさん自身がどんどん会社や業界について学習し、最終の社長面接では、もし自分が入社したら、どのような部門でどんな働き方ができそうかのということを明確にお話されたそうです。
それがまさに社長が考えているA社の課題にも合致し、社長も大喜びで採用、現在BさんはA社の中で大活躍していらっしゃいます。

 

もう一つは、残念に終わった事例です。

 

同じくSaaS系のビジネスを展開するC社に同業他社でありかつその業界では大手と言われる企業出身のDさんが面接に進みました。
一次で社長に会ったときには、印象もよく、経験的にも当社に合いそうということで、すぐに次のステップに。二次・三次も滞りなく終了し、最終面接へ進みます。
ただ、最終で再度社長が会ったときに、大きく評価が変わりました。
社長には、会社理解が初回の時と大きくは変わらず、何よりも、ここで働こうという覚悟が見えなかったそうです。Dさんの中でなぜC社なのかがわからず、また何を基準に次を選ぶのかという観点が決まっておらず、単に面接に受かりたいという姿しか見えなかったとのこと。これでは、C社のようなベンチャーで働くイメージがわかない、何かあってもそれを乗り越える胆力がないのではないかという判断になり、残念な結果になりました。
D さんは当然受かるものと思って最終に臨んだようで、かなりのショックを受けていました。

 

これらの事例から見ても、社長が最初から出てくる場合は、一般的な部門・人事面接を経ての社長面接を行うケースとは大きく異なるため、それに合わせた対応が必要です。

 

ただ、コンサルタントとしての経験上、こういった社長が率いる会社は、アグレッシブで成長意欲も高く、経営層と現場の距離が近いケースが多いです。

企業理念に共感している方々が集まり、それが社員に浸透しているため、判断の基準も明確であり、社員が皆同じ方向を向いて事業に取り組んでいるケースが多いように感じます。
したがって、自らが共感共鳴できる企業で経営層との距離近く働きたいと思う方にとって、最初に社長が出てくる会社は、お薦めできるのです。

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プロフィール

  • 北岸弥恵

    株式会社 経営者JP ディレクター 兼 エグゼクティブサーチ事業部 部長 国家資格キャリアコンサルタント 米国CCE.Inc認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー

    1979年千葉県生まれ。青山学院大学文学部日本文学科卒。学生時代に組織や環境がヒトに与える影響の大きさを感じ、人材業界へ。仕事においても「ヒトと組織の出会いの創出に貢献したい」という想いを持つ。求人広告を扱うベンチャー企業での新規サービスの立ち上げ/法人向け採用コンサルティング営業を経て、2003年に株式会社ディスコの人材紹介部門に入社。新卒学生や第2新卒の就職/転職をサポートする部署にてコーディネーター職を経験した後、コンサルタントへの転向を希望し、2005年秋からコンサルタントとして勤務。日系/外資系メーカー、インターネット、小売、物流、サービス業等幅広い業界の採用支援に携わり、法人向けコンサルティングを行いながら、みずからマッチングや転職希望者の支援も行う。2000人以上の転職希望者にお会いし、数多くのリーダー層やマネジャー層の転職支援をサポート。トップコンサルタントとして活躍し、大手外資系企業からPartner Awardを2年連続で受賞するなど、質の高いマッチングに好評をいただく。 「これから世の中に出ていく世代が生き生きと過ごすために、日本を元気にする企業やリーダーの成長に自らの経験を活かしたい」と考え、2017年1月、経営者JPに参画。「相手の立場にたった丁寧なコンサルティング」をモットーとし、経営層・リーダー層の採用・転職支援に取り組む。一児の母。