TOP 社長を目指す方程式 上司が「1つ上の活躍」をするために、2022年に鍛えるべき5つの力

2022/01/31

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社長を目指す方程式

第82回

上司が「1つ上の活躍」をするために、2022年に鍛えるべき5つの力

  • キャリア
  • マネジメント
  • ビジネススキル
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

 

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今回の社長を目指す法則・方程式:

経営者JP「経営者力を測る、5つの力の方程式」

 

読者のみなさん、新年の出足はいかがでしょうか? チームのリーダーとしてご活躍の皆さんは組織の管理職としての活躍を目指し、すでに管理職の皆さんはいよいよ経営陣としての活躍を!と期していることでしょう。

 

2022年、上司の皆さんが「ひとつ上の活躍」をするために、具体的にどのような力の発揮に力点を置けば良いかをご紹介しましょう!

 

管理職が発揮すべき2つの力

私が経営している経営者JPでは、経営陣や中間管理職として活躍される方々に必須の力として「5つの力」を特定して方程式化しています。それは以下のようなものです。

 

◎経営者力=(「描く力(構想力)」+「決める力(決断力)」+「やり切る力(遂行力)」)×「まとめる力(リーダーシップ力)」×「学び続ける力(学習力・習慣化力)」

 

マネジメント力の高い人は共通して、この5つの力を発揮して日々の現場に当たっていらっしゃいます。その中でも、中間管理職(当社ではこの層を「幹部人材」と呼んでいます)と経営陣(この層を「経営人材」と呼びます)とでは、同じマネジメントでも、5つの中で特に発揮すべき力が異なるのです。

 

管理職(「幹部人材」)には、5つの力の中でも特に2つ、「やり切る力(遂行力)」と「まとめる力(リーダーシップ力)」の発揮が求められます。

 

■「やりきる力」の見抜き方

 

「やり切る力」とは、業務遂行力。絵に描いた餅で終わらせず、決めたことを徹底的に実行する力です。物事は、当初描いた通りに進むとは限りません。むしろ、そうはいかないことのほうが多いでしょう。そのときに「やっぱり駄目だった」と投げ出してしまったり、他人に責任をなすりつけたりする管理職・リーダー職の方も少なくないように思います。

 

デキる管理職、成果を出しているリーダーは、こういう局面での踏ん張りが素晴らしいです。「そうか、やっぱり、ここはうまくいかないか。では、こうしてみようじゃないか!」と速やかにチューニングを行い、軌道修正した施策を実行に移します。まるでゲームを楽しむように事業ステージをクリアしようとする力は、現場を勇気づけ、成功への道を切り拓きます。

 

私たちは、管理職の方々が「やり切る力」を持っているかどうか評価するポイントとして、「戦略を分かりやすく説明、周知、浸透させているか」「戦略を果断に遂行しているか」「業績への強いコミットがあるか」を見ています。

 

■平成に衰退した「まとめる力」の重要性

 

もう一方の「まとめる力」とはリーダーシップ力のことです。ビジネス上、一人でできることなど限られています。そもそも組織で行うビジネスとは「人を動かして、ことをなす」ことだと言ってよいでしょう。つまり、「まとめる力」が高い人が組織や事業を大成させます。

 

戦後の日本を代表する経営者には、この力がとにかく突出している人たちが多く見られました。彼らの「まとめる力」が戦後の日本経済を大きく成長させ、GDP(国内総生産)を世界第2位まで引き上げたことは間違いありません。

 

しかしその後、バブルが崩壊して21世紀に入り、日本経済の停滞によってなのか、個の時代によるものなのか、この力は総じて日本人経営者の間で弱くなったという印象が強いですね。平成はある意味「まとめる力」の衰退期でしたが、令和のこれからは、改めて「まとめる力」の重要性が増してくると私は予想しています。

 

私たちは、「まとめる力」の有無を評価するポイントとして、「信頼を獲得しているか」「組織を組成、場づくりに気を配り、チームをリードしているか」「メンバー個々の個性、主体性を活かし、人材開発・育成に務めているか」を見ています。

 

管理職(「幹部人材」)とは経営からの「問い」に答えて結果を出す立場です。そのため、特にこの「やり切る」と「まとめる力」の2つの力を発揮できる人材が管理職として活躍するのです。

 

経営陣には「描く力(構想力)」と「決める力(決断力)」が重要

これに対して、経営陣(「経営人材」)は5つの力の中でも特に「描く力(構想力)」と「決める力(決断力)」の2つの発揮が期待されます。

 

■“社長の目“を持つことで磨かれる「描く力」

 

「描く力」とは構想力のことです。自社の事業ビジョンや個々のサービスの到達点、目指すべき姿を描けるかどうかが問われます。

 

デキる経営者の人たちがよく口にするのが、「頭の中でくっきりと絵を描いて、それを社員や社外のステークホルダーに説明する」というフレーズです。これは「見えていないものは、成し遂げ得ない」という信念から出てくるものでしょう。

 

「描く力」でよく言われるのは<鳥の目>を持つことですね。自分の立ち位置や仕事内容を俯瞰(ふかん)してみる癖を身につけているかが問われます。もちろん、どのような立場であれ、究極は「社長の目」に立つことが重要です。将来の後継者候補となる人材は、日々、社長の目から自社の事業や日々の業務を見ているものです。

 

私たちは、経営陣の方々が「描く力」を持っているかどうか評価するポイントとして、「広く市場の動き、事業環境に目配せできているか」「自分なりのビジョンを創出しているか」「ビジョンや構想を戦略や組織に落とし込んでいるか」を見ています。

 

■正しさと明確さが求められる「決める力」

 

「決める力」とは、決断力です。リーダーというのは毎時間、毎分、毎秒が決断の連続。その決め方にもその人の個性が出ます。一人で決める人、衆知を集め合議する人、さまざまです。

 

決められないトップやリーダーがいると、向かうべき方向性が定まらないため、組織は混乱し、停滞する要因にもなります。昭和型の大企業トップに多いのが、決断する段階での「意思決定のタライ回し」です。「あの役員はどう言っているんだ?」「皆が良いというなら」「先に副社長に聞いてみてくれ」などの言葉は、その典型ですね。

 

確かに、決めないということも一つの意志決定です。しかし、それがどんな災いをもたらすかは、これまで世間を騒がせてきた偽装・粉飾問題や大型倒産などを見ても明らかですね。どれも、意思決定の先送りがもたらした悲劇です。また、そもそもの偽装問題や先の粉飾決算の発生自体は「間違った決定」による悲劇です。ただ決めればよいというわけではないのは、当たり前のことです。ここで言う「決める力」を持つ人とは、自分の中に正しい判断基準を明確に持っている人のことです。

 

私たちは、「決める力」の有無を評価するポイントとして、「事業や経営での意思決定への主体的な参画があるか」「多様な意見・利害関係の中でも最適な判断をすべく動いているか」を見ています。

 

経営陣(「経営人材」)として優れた成果をあげている方々に共通しているのは、先の「やり切る」「まとめる力」の2つの力に加えて、「描く力」「決める力」の質と量とスピードが抜群に優れていることです。皆さんがパッと名前を思いつく名経営者は皆、これに当てはまると思いませんか。

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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