TOP イマ、ココ、注目社長! 「初代バチェラーの久保」ではなく「経営者・久保」として。クラス代表・久保裕丈氏の骨太な経営者観。《後編》

2020/12/25

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イマ、ココ、注目社長!

第124回

「初代バチェラーの久保」ではなく「経営者・久保」として。クラス代表・久保裕丈氏の骨太な経営者観。《後編》

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大きく、重く、空間のイメージを左右するため、購入時には熟慮が必要だった家具。値段がはるので気軽に買い換えもできないアイテムだった家具のイメージは、サブスク・ビジネスの登場によって大きく変わりつつあります。

 

その「家具のサブスク」の代表格である、株式会社クラス。同社代表取締役社長・久保裕丈さんのインタビュー後編は、自身にとって2社目となるクラス社立ち上げの経緯や、久保さんがビジネスをおこなう真の目的だと話す「自由に挑戦する人を増やし、世の中の生産性や創造力を高める」ことがなぜ家具のサブスクとつながっていくのか、といった興味深いトピック満載でお届けします。

 

(前編はこちら)

 

(聞き手/井上和幸)

 

そのときどきで変わる「最適な空間」をいつでも提供できるように

――さて、本題である今の会社の創業について伺います。まずは、なぜこのビジネスを選ばれたのでしょう?「引越好きで…」という理由は、いろいろな記事に出ていますが。

 

久保 そうですね。確かに一番の理由は「自分がほしいサービスだったから」につきます。前社(ミューズコー)は「アパレルが好き」という興味もありつつ、市場環境や競合を見ながら、マーケットイン的なビジネススキームで立ち上げました。

でも、今回クラスをつくってみて改めて感じたのは、経営者自身が極めて「自分ごととして解決したい」課題に、ビジネスでアプローチすると非常にのめり込みやすいし、意思決定をしたり長期的な戦略を描く際にも、本当にストレスがないということです。

つまり、自分自身が強く感じている世の中への課題感や理不尽、不便をなくすために作った、というのがクラス立ち上げのいちばんの根底です。

 

――立ち上げたときはどういう体制でスタートしたのでしょう?

 

久保 CTOと、当時はCOOと呼んでいた家具作りのプロ。あとは私がウェブとかマーケティングまわりの担当ということで3人体制でした。

 

――そのとき、クラス社のビジョンや長期計画は描かれましたか?

 

久保 はい。立ち上げるDAY 0(ゼロ)から、ビジョンとバリューはがちっと固めました。最初におこなった経営合宿でまず話し合ったのは、ビジョンとバリューをどうするのかというところ。それから、計画…というよりはあの時点では妄想かもしれません。それを語るところから始めました。

 

――それはどういうものだったんですか?

 

久保 「家具のサブスク」という範疇でアプローチしたいことは、個人でも企業でも「最...

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プロフィール

  • 久保 裕丈氏

    久保 裕丈氏

    株式会社クラス 代表取締役社長

    2005年3月東京大学工学部卒業。2007年3月東京大学新領域創成科学研究科修士課程修了。2007年4月米系のコンサルティング会社A.T.Kearneyに入社。商社・メーカー・金融機関等への全社戦略策定や企業買収を手がける。2012年、女性向け通販サイトMUSE&Co.を設立し、2015年に売却。その後、個人で数十社の企業顧問を務める。2017年、アメリカで大人気の恋愛リアリティーショー"TheBachelor"の日本版"バチェラー・ジャパン"のシーズン1の主役に抜擢。2018年、より自由で心地よい暮らしを提供することを目指し、家具・家電のサブスクリプションサービスCLAS(クラス)を設立と同時に代表取締役社長就任。

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