TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 嫌いな人にも読んでもらえるコンプライアンス教材

2020/11/12

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第89回

嫌いな人にも読んでもらえるコンプライアンス教材

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • 秋山 進氏 プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役

 

24個の汎用ケース+業界や自社のケースが理想

本書は、このような形式で、よく発生するコンプライアンスのケースを24個取り上げています。ケースは以下のようになります。

 

1、15 年以上続いているデータ偽装[虚偽表示(不正競争防止法)]
2、他社の企画書のパクリ使用[著作権侵害(著作権法)]
3、毎年続いている架空取引[有価証券報告書の虚偽記載(金融証券取引法)]
4、ライバル会社との小さな談合[不当な取引制限(独占禁止法)]
5、赤字回避策としての購買要請[金融証券取引法違反目前の危険な行為]
6、公的補助金の不正受給[詐欺罪(刑法)]
7、経理部長の使い込み[業務上横領罪(刑法)]
8、無理やりつくった増収増益[粉飾決算目前の危険な行為]
9、社長の不透明なお金の使い方[特別背任罪(会社法)]
10、クレーマーからの度重なる言いがかり[脅迫罪、恐喝罪等(刑法)]
11、「議事録を2通つくれ」との上司の指示[業法違反、私文書偽造等罪(刑法)]
12、取引先との小さな接待の果て[詐欺罪、業務上横領罪、背任罪(刑法)]
13、外国政府がらみの取引の問題[外国公務員贈賄罪(不正競争防止法)]
14、取引先への発注後減額の要請[発注後減額(下請法)]
15、出張先の写真のSNS へのアップ[情報漏れ(違法行為ではない)]
16、未公開情報をもとに株式売買の画策[インサイダー取引(金融証券取引法)17、根拠のない「No. 1」の広告表示[優良誤認表示(景品表示法)]
18、同僚の性にまつわるうわさ話[環境型セクシャルハラスメント(民法、労働契約法)、名誉毀損]
19、形骸化した月45 時間以内の残業[サービス残業(労働基準法)]
20、副業先からの情報漏洩[営業秘密の漏洩(不正競争防止法)]
21、顧客データの用途制限外の使用[個人情報の目的外利用(個人情報保護法)]
22、形骸化した法律を無視[意味のない古い法律(業法等)]
23、秘密裡に進められる人減らし[パワーハラスメント(パワハラ防止法)]
24、元請けからの販売要請[優越的地位の濫用(独占禁止法)]

 

これらのケースを一通り学習すれば、一般企業の管理職や社員が遭遇しそうなコンプラ問題は(業界特有なものを除いて)ほとんどカバーできるはずです。この基本24ケースを汎用ものとして活用し、さらには業界や自社に特有なケースを追加して社員向けに研修等をすることで、コンプライアンス問題の発生をかなり抑止できるのではないかと考えております。上記のケースを見て、自社の社員の行動が心配になった場合は、ぜひ手にとってみてください。

 

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■書籍情報

『これだけは知っておきたいコンプライアンスの基本24のケース』
著者:秋山 進
出版社:日本能率協会マネジメントセンター
価格:880円(税込) 

この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。

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プロフィール

  • 秋山 進氏

    秋山 進氏

    プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役

    京都大学卒。リクルート入社後、事業・商品開発、戦略策定などに携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。

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