2020/10/29
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第87回
コロナ氷河期は青黒さとマネジメント力を鍛えて乗り越えよ
- キャリア
- ビジネススキル
- 前川 孝雄氏 株式会社 FeelWorks社長・株式会社働きがい創造研究所会長・青山学院大学兼任講師
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◆「コロナ氷河期」到来の兆し
2019年の終盤から徐々に感染が広がり、わずか数カ月で瞬く間に世界中を席巻しパンディミックを引き起こした新型コロナウイルス。それから約1年がたつ今も、深刻な感染第二波に苦しむ国々を含め、世界的に収束の見通しは立っていません。 日本でも、経済や労働市場にもたらしたマイナスの影響が、これから本格化する兆しが見え始めています。1990年代半ばから2000年代半ばの就職氷河期の再来、さらには全世代的な雇用情勢の悪化をもたらす「コロナ氷河期」の到来が現実味を帯びてきました。既に非正規雇用者の雇い止めや解雇、内定取り消しや新規採用の抑制が起こっていますが、ここから正社員の給与カット、早期・希望退職募集、整理解雇が増える危惧が高まっています。
では、本コラム読者層にも多い、就職氷河期世代を含む40代前後の中堅世代は、この脅威をいかに乗り越えていけばよいか。以下、私の近著『コロナ氷河期~終わりなき凍てついた世界を生き抜くために』(2020年9月19日発行、扶桑社)の中から、そのポイントを一部紹介しましょう。
◆中堅世代に求められる「青黒さ」と「マネジメント力」
中堅世代が、コロナ氷河期を自らの力で生き延び、ステップアップして活躍するために鍛えるべき筋肉には2つがあります。「青黒さ」と「マネジメント力」です。青黒さとは、リクルートワークス研究所が提唱した「青臭さ」と「腹黒さ」を掛け合わせた造語で、青臭い志と腹黒い戦略を併せ持つことです。自分の手掛ける商品やサービス、コンテンツが社会や組織にもたらす意義を情熱的に語り追求する「青臭さ」と同時に、しっかりと戦略を立てて、社内外のキーマンに根回しして実現する「腹黒さ」も併せ持つ。高い理想と計算高さを両立させる「青黒さ」こそ、中堅世代が活躍し、のし上がっていくための必須スキルです。
現在の中堅世代にとって、それ以前の世代に比べて蓄積が乏しい経験値があります。それが人や組織を動かすマネジメント力、踏み込んで言えば“リーダーシップ”といわれる筋肉です。特に就職氷河期世代は、この筋肉を鍛える経験が圧倒的に足りません。ひと世代上のバブル入社世代は多数いる一方で、下の世代が少ないため、本来なら管理職となり部下のマネジメント経験を積めるはずが、現場のプレイヤーとして働き続けてきた人が少なくないからです。