TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 サイバーエージェントではなぜ、突き抜けたリーダーが育つのか ~経営人材と新規事業が続々生み出されるには、理由があった

2020/11/05

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第88回

サイバーエージェントではなぜ、突き抜けたリーダーが育つのか ~経営人材と新規事業が続々生み出されるには、理由があった

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2011年に新卒で入社し、8年目の29歳で本社の取締役に就任した社員がいる。入社1年目どころか内定中に子会社の社長になってしまった女性社員がいる。入社2年目でマネージャー、3年目で局長を任される社員がいる……。   こんな抜てき人事が頻繁に行われている会社がある。サイバーエージェントだ。創業まもないベンチャー企業であれば、大胆な人事は珍しいことではない。しかし、サイバーエージェントはそうではない。   1998年の創業から20年を超え、売上高は連結で約4500億円。グループ従業員数も5000人を超える、東証一部上場企業なのである。もはやすでに大企業と呼んでもいい規模になっている会社が、驚くほどの若手抜てき人事を行っているのだ。

サイバーエージェントの人事についてのニュースを時々目にするたび、どうしてこんなことが可能なのか、不思議でならなかった。逆にいえば、それだけの抜てきができるだけの人材が、育てられているということになる。なぜ、こんなことができるのか。

 

ここ数年、多くの経営トップから聞こえてくるようになった言葉がある。

 

「指示待ちの社員はもういらない。自分で考え、自分で動き、決断できる人材が欲しい」

 

日本企業を巡る環境は大きく変わっている。低成長の時代が続き、日本はグローバルにおいてもその存在感を大きく落とすに至っている。どうすれば、この低成長から脱却できるか。その重要なテーマの一つに、人材採用や人材育成があると考えている経営トップは少なくない。

 

すでにある事業をコツコツとやっていても、成功できる時代ではなくなった。誰かが出した答えをひたすら完遂したところで、大きな結果は出せない。必要になってきているのは、大胆な発想転換であり、思い切った挑戦であり、ブレイクスルーをもたらす行動、イノベーションを生む新しい答え。そして、それを率先して生み出す新しいタイプのリーダーである。

 

そうした取り組みができる社員を端的に、「経営人材」「起業人材」と名付けて語る経営トップもいた。まさに将来、経営を委ねたい人材だからである。どうすれば、「経営人材」「起業人材」を採用できるのか。あるいは、「経営人材」「起業人材」を育成できるのか。ここに大きな関心が寄せられていたのである。

 

一方で、働く社員の側にも不安は募っている。リストラがいつやってくるか分からない、とおびえる中高年は少なくない。このままでは自分は大きく成長できない、と職場を去ってしまう若者も多い。

 

どうすれば、これからの時代に求められる人材になれるのか、そのヒントを探している人は増えているのだ。

 

そこで注目すべきだと感じたのが、サイバーエージェントという会社の存在だったのである。インターネット広告事業からスタートした会社だが、今ではゲーム、さらにはAbema TVなどメディア事業も大きく成長している。次々に新しい事業を立ち上げ、日本が閉塞してきた時代に成長し続けてきた会社なのだ。

 

プロフィール

  • 上阪 徹氏

    上阪 徹氏

    ブックライター

    1966年兵庫県生まれ。リクルート・グループなどを経て、94年よりフリーランスに。
    著書に『JALの心づかい』『社長のまわりの仕事術』『あの明治大学が、なぜ女子高生が選ぶNO.1大学になったのか』『10倍速く書ける 超スピード文章術』『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』など多数。インタビュー集に『外資系トップの思考力』『プロ論。』シリーズなど。
    他の著者の本を取材して書き上げるブックライター作品も60冊以上に。

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