2020/11/09
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私が経営者になった日
第46回
【大都 山田氏】絶対に辞めないで、何とかせなあかん。 (Vol.1)
- 経営
- キャリア
- 経営者インタビュー
- 株式会社大都 代表取締役社長 山田 岳人氏
社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。
妻の実家の家業である金物問屋を継ぎ、赤字続きの業態を変更。取り扱い6000社を超える工具ネット通販を手がけ、DIYのワークショップやフェス、メディアも展開し、DIY市場の掘り起こしにも努め19期連続成長を続けている株式会社大都 代表取締役社長 山田岳人氏に3回にわたってお話をうかがってみました。
●事業もわからず入社、すぐに専務となった。
「うちの会社では、アルバイトでも誰でもみんな僕のことは『ジャック』と呼びます。『社内でも敬称をつけちゃ駄目』というルールなんですよ。他の役員には、トニーやアントニオ、ジョニーとかがいますが、スタッフ全員、そう呼びますので、僕のことは『ジャック』と呼んでくださいね。」
そう笑顔で話し始めたジャックこと、山田岳人氏。
妻の実家の金物問屋だった大都に、経営者として継ぐことを前提に27歳で入社。以来23年、問屋業から事業転換し、工具ECサイトという新たな流通モデルを構築するだけでなく、DIYのワークショップやフェス体験型ショップ、メディアなどを展開し、DIY市場の掘り起こしにも大きな力を発揮している。
「『金物』って聞いても、具体的に何を扱っているのかというのはわからないじゃないですか。だから鍋とか釜とか売っているのかなと思っていたんですけどね。入社当時15人ぐらいしか社員はいませんでしたけど、古参の社員さんから“すぐに専務になったほうがいい”と言われて、半年ぐらいで専務になりました。義父に継いでくれとは言われましたが、婿養子ではないので苗字が違うんですよ。 “役職を付けて、将来の後継者だということを周囲にちゃんとわかるようにしたほうがいいよ”と言われて、会社法上は役員ですよね。ただ、事業も経営者とはどういうことなのかも、まだ、よくわかっていませんでした。」
●事業承継と起業、同じことだと思っていた。
大学時代のアルバイトから、そのままリクルートに就職した。
「いずれ、自分で起業するつもりでしたが、別にやりたいことが決まっているわけでもありませんでした。それも、義父の会社を継ごうとすんなり思えた一つの要因なのかもしれないですね。求められて、経営をやらせてもらえるんだったら、やりますよということで。」
事業承継であろうが、起業しようが、いずれにせよ自分の会社なのだから、...
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