2020/09/14
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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える
第6回
経営人材と幹部人材。成功と失敗をわける思考・行動はそれぞれ何か。
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経営者とはどんな人?
私は2020年7月1日、経営者JPにキャリアアドバイザー兼リサーチャーとして参画しました。私自身、学生から経験豊富なビジネスパーソンの方々まで、現在まで1,400名ほどの相談者にキャリアカウンセリングを提供してきました。参画後、お会いした経営者の方々は、様々な想いを持っていらっしゃいますが、一体経営者とはどんな人なのか、より深く知りたいと感じています。そこで一般の方々は、経営者に対してどんなイメージを持っているのか気になり、知人などに聞いてみました。「生きるために、不可能を可能にする為、真当な営業方針を指し示す者」
「企業と言う宗教の神」
「民衆を導く自由の女神」
「時と会社によりけり」
「現状維持を良しとせず変化し続ける人」
「『経』とは、筋道(道理)を通すこと。『営』は、それを行動に現すこと」
このように、皆さん経営者に対して様々な見方をしているようです。
とある営業部長の考える、経営人材と幹部人材とは
経営者に対して様々なイメージがあるようですが、なかでも特に面白かったのは、とある一部上場企業の営業部長のお話でした。経営者をどう捉えているのか、実際に話を聞きました。その営業部長の話によると、経営者と幹部である自分自身の違いとは、問題提起をする側の人間なのか、それともその問題提起を受けて事業として具現化する側の人間なのかということです。つまり経営者と幹部では、それぞれ求められる思考も行動も違うということです。
経営者から幹部に示される問題提起は時に解決が難しく、抽象的になります。問題提起の抽象度が高くなり、組織が大きくなればなるほど、それを解決していくのが難しくなります。時代は常に変化し、そのスピードも速く、解決すべき問題も変わっていきます。よって経営者には時代の動きにアンテナを張り、常に学び軌道修正していくという柔軟な姿勢が求めらるということです。
幹部はそれぞれに専門領域を持っており、その専門領域において目標や課題を持って取り組みます。そして経営者の問題提起を、具体的な行動目標として定性的、定量的にマネジャーに示します。その時に、自身の専門領域と持ち味を活かし、経営者の期待値を超えていくというマインドを持って、結果を出すことができる人材が、良い幹部と言えるのではないかとおっしゃっていました。私はその営業部長の話を大変興味深く聞き、なるほどと思いました。
その営業部長の話を受けて私が考えたことは
経営者が提示する問題提起とは、社内、社外を問わず、解決すべき様々な問題から引き出されるものです。解決すべき問題とはいったい何なのか、それは時代によって変わり、また日々変化するものです。その問題提起の深さや鋭さという点において、経営者の成功と失敗を分けるのかもしれないと感じました。そして幹部の成功する思考とは「経営者が立てた問題提起に忠実になれるかどうか」であり、成功する行動とは「経営者の問題提起を受け、具体的に解決できるかどうか」なのかもしれません。
経営者JPの考える経営人材と幹部人材とは
ここまで、経営者と幹部についてお話をしてきましたが、皆さんの中には「経営者と幹部って違うの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。実は経営者JPでは、経営者になるべき人を経営人材、幹部になるべき人を幹部人材として分け、全く別のものだという見方をしています。私は入社前に、経営人材と幹部人材を明確に定義していることに、大変興味を持ったことを覚えています。我々の考える経営人材とは、経営や事業の「目的」「目標」「課題」は何かを設定し、会社の「問い」を立てる人です。そして幹部人材とは、経営や事業の「目的」「目標」「課題」に応え、会社の「問い」に答える人です。
経営者JPの考える経営人材の成功と失敗を分けるものは?
経営人材の成功要件については、次のように定義しています。会社や事業がタフな局面を迎えた時に、自らのテーマ、志、覚悟を持ってメンバーと共にその局面を乗り越えようと奮闘できるのか、そして「いかにすれば、この局面を打破できるだろうか」という問いを立てられるか。それらが、経営人材の成功と失敗を分けるファクターです。