2020/08/27
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戦略HRBPから見た、人・組織・事業・経営の現在&これから
第1回
「言うべきか、言わざるべきか、それが問題だ」:リモートワーク編
- 組織
- 桜庭 理奈氏 35CoCreation合同会社 CEO
それは今年のGWの出来事でした。いよいよCOVID-19の影響があちらこちらでビジネスに影響が出てきて、ある企業では経営陣が一挙に集められ、緊急対策会議が連日のように予定されました。
もうその頃には不要不急の外出は控えることは、世の中的にも言わずもがなの空気になっており、GW中は自宅でゆっくりする以外は特に予定もないし、未曽有の危機こそ会社が一丸となって乗り越えていかなければならない状況で、闘志さえ燃やして「ここが踏ん張りどころ!」とばかりに使命感に燃え、自分を鼓舞し、早朝から夜までいつも以上に働いていました。これ、まさしく私に実際起こったことです。
みなさんが置かれていらっしゃる事業環境も多かれ少なかれ、この3-4か月はそのような‘緊急モード’でお仕事をされ、経営判断をクイックに下していかなければならない局面に置かれたのではないでしょうか。
このような、いわゆる有事の状況を、ここまでの長い期間、トンネルの先の出口が明確に見え切らない中で、しかも同じオフィス空間や、文字通り’顔を突き合わせて’‘空気を感じながら’仕事ができないリモートワークの環境下で、普段よりも難しい経営判断をいつも以上にスピーディに下していかなければならないことに、私自身も多くの方々にとっても、初めて直面した状況だったのではないでしょうか。
しかも、ここまで長く‘緊急モード’を続けていくことを、誰が予想できたでしょうか。
一過性ではないことが分かった今の環境の変化の中で、これまで私たちが直面しなかった新たな組織課題が出てきていることに気づかされます。例えばこのような課題に、頭を悩まされていないでしょうか。
1.緊急モードに振り切ったが、どのタイミングで、どのように通常モードへ戻っていったらいいか判断がつかず、今後の働き方の指針について、社内へのアナウンスや指示に戸惑い、コミュニケーションのタイミングが遅れてしまう
2.今回やむを得ずリモートワークに踏み切ったが、今後続けていくにも制度やインフラが追いついておらず、オフィスに出社する働き方に結局戻ってしまったことで、社員からもがっかり感が漂っている
3.今回の事でリモートワークの推進が一気に進んだが、今度は組織内で起こる心理的な距離を遠隔でどのように縮めながら、互いの信頼を高いままキープして生産性を落とさない働き方ができるか、不安が残る
コロナ禍で今までモヤモヤしていた組織課題や違和感が、ここにきて溢れ出している場面も少なからず見受けられます。
今後バーチャルな環境がメインとなり、リアルで場を共有することに関しては、明確な意図や価値があるときだけ実現することが当たり前となる時代がくる中で、私たち経営者や組織を預かるリーダーたちはどのようなハード面、ソフト面の準備を着々と進めていけばいいのでしょう。
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