TOP 社長を目指す方程式 ジョブズらを口説き落としたディズニー前CEOの「10の法則」

2020/04/28

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社長を目指す方程式

第38回

ジョブズらを口説き落としたディズニー前CEOの「10の法則」

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント

◆とてつもない経営成功を支えた、真の10のリーダーシップに必要な10の原則

アイガー氏はなぜ、こんなとてつもない経営ができたのでしょう?自伝である近著『ディズニーCEOが実践する10の原則』によれば、アイガー氏は自身で「私が学んだことを振り返ってみると、真の10のリーダーシップに必要な10の原則が浮かび上がってくる。私を助けてくれたこれらの原則」と述懐しています。

1前向きであること 2勇気を持つこと 3集中すること 4決断すること

5好奇心を持つこと 6公平であること 7思慮深いこと

8自然体であること 9常に最高を追求すること 10誠実であること

こうして並べてしまうと、聞けば当たり前のような、それぞれは平凡な原則ですが、アイガーはこの10原則で、スティーブ・ジョブズを、ジョージ・ルーカスを口説き落として、ピクサーやルーカスフィルムを手に入れたのです。

この10の原則についてはショートレビューがされており、端的ながら腑に落ちますので、ご興味ある方は本書をご覧頂ければと思います。この10の原則の解説もさることながら、『ディズニーCEOが実践する10の原則』には付録の章が12ページあり、ここを読むだけで上司の皆さんが本書を購入して十分お釣りがきます(早川書房さんの宣伝みたいになってしまいますが)。私がピンと来たものをいくつか抜粋ご紹介しますと――

「卓越した仕事をすることと、人を気遣うことは、両立できる。完璧を目指しながらも、物だけでなく人を気にかけることを忘れてはいけない」「リーダーが自分の直感を信じ、経緯を持って人と接していれば、その人が導く組織もまた同じ価値観を体現するようになる」「経験よりも能力を評価・信頼し、その社員が難なくできると思う以上の力量を必要とする役割を与えよう」「無難にやりすごすことを目標にしてはいけない。偉大な何かを創り出すことを目標にしてほしい」「企業の評判は、そこで働く人々の行動と、その企業が生み出すプロダクトの品質がすべて積み重なったものだ。いついかなる時でも社員とプロダクトに誠実さを求めなければならない」「リーダーは優先順位をはっきりと繰り返し伝えなければならない。優先順位がはっきりと伝わらなければ、周りの人も何を優先したらいいかがわからなくなる。すると、時間と労力と資本が無駄に使われてしまう」「もし何かが『違う』と感じたら、それはあなたにとっては正しい道ではないのだろう」「世間からいくら権力者だと言われたり重要人物だと持ち上げられても、自分が何者かをしっかりと持っていなければいけない。自分を過信しはじめ、肩書きに頼るようになったら、自分を見失った印だと思った方がいい」

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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