2019/12/24
1/3ページ
社長を目指す方程式
第29回
成功する人は実行上手で学び上手 自分を「成長上手」に仕向ける4つの方法
- キャリア
- ビジネススキル
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
◆「結果期待」+「効果期待」で知能蓄積のサイクルを回す
流動性知能を適切に使い、結晶性知能を蓄積していく——このサイクルをどんどん回せる人、回し続けることができる人こそが、成功する人の条件なのです。
皆さんの周囲にも、何歳になっても好奇心旺盛で情報感度の高い人、新しい場所や人との出逢いにどんどん出向いていく人がいらっしゃるでしょう。あるいは読書家、映画や芸術、教養関連の情報を貪欲に求めインプットされていらっしゃる人。こうした人たちは生涯、結晶性知性を高め続ける人たちです。
ではなぜ成功している経営者の方々に、こうした結晶性知性を高めることが得意で身についている人が多いのでしょう?
それは彼らが、「結果期待」=「こうすればうまくいく」というイメージを持っていて、かつ「効果期待」=自分はその行動を常に取ることができると思えるマインドセットを身につけているからなのです。
例えばダイエットについて、「週に2〜3回、1時間程度の有酸素・無酸素運動をして、食事を毎日2000キロカロリー以内に抑えれば、数ヶ月内に適正体重に戻すことができる」という「結果期待」を知っていて、これを自分はいざとなったら実行することができるという「効果期待」を持っていれば、その人はいつでもダイエットに成功することができるという訳です。
このダイエットの例でピンとくると思いますが、行動をしっかり行い成果を得るためには「結果期待」だけではだめで、「効果期待」を持てることにこそ鍵があるのです。
心理学者のアルバート・バンデューラは、望ましい行動を取るためには「効果期待」こそが大事だということを突き止め、それを「自己効力感」と名付けました。仕事の成功には自己効力感が大きく影響することがわかっているのです。
◆自己効力感を高める4つの方法
バンデューラは、自己効力感を高めるには4つの方法があるとしています。
(1)成功体験(努力の上での直接的な成功体験)を与える
(2)モデリング(代理経験=間接的な成功体験)を与える
(3)説得する
(4)生理的・感情的状態をよくする(生理的高揚や肯定的な気分)
の4つです。