2019/12/10
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社長を目指す方程式
第28回
営業、転職…年末追い込み、3つのズルいクロージングテクニック
- キャリア
- ビジネススキル
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
最初に高いハードル・要求を突きつけ、それよりましな選択肢で、普通に提案・相談したら得難い了解を得る。これを「ドア・インザ・フェイス」テクニックと言います。(「shut the door in the face(門前払いする)」という、訪問販売員とお客のドア越しのやり取りを表したフレーズに由来。)
単に東京から大阪の会社に転職だと反対されたかもしれないところ、ミャンマー転勤の可能性を前提に、ミャンマーと大阪を比較させることであなたは無事に奥様の大阪企業への転職を快諾させることに成功しました!

◆相手の要求をどこまで受け入れられるか?
スタンフォード大学の社会心理学者、ジョナサン・フリードマンとスコット・フレイザーが1966年に行った興味深い実験があります。戸建住宅の住民に「庭先に交通安全の立て看板を立ててもらえませんか」という依頼をしたら、どのくらいの住民が承諾してくれるのかという実験です。
2つのグループを作り、最初グループの住民にはいきなり「庭先に交通安全の立て看板を立ててもらえませんか」という本命の要求をしました。この場合、承諾した住民の割合は16.7%でした。別のグループの住民には、いきなり本命の要求はせずに「交通安全に関する小さなステッカーを窓か車に貼ってもらえませんか」という小さな要求に承諾してもらい、その後「庭先に交通安全の立て看板を立ててもらえないか」という本命の要求をしました。すると本命の要求に対する承諾率は76%にもなったのです。
相手がYESと飛びつく提案を先に受けさせてしまい、それに紐づく追加条件を次々と乗せていくことで、最初から一括提案では断られそうな提案を受け入れさせてしまう「フット・イン・ザ・ドア」テクニック。(セールスマンが訪問先でまず片足をドアに入れて閉まらないようにし、相手が商談を拒否できないようにする動作に由来。)これも営業や日常でかなり使える心理学テクニックと言えるでしょう。ポイントは「一連の要求に関連がある」「要求ごとの差を大きくしすぎない」「細かくしすぎない」の3点とのこと。
例えば、最初に少額のミニプランを導入してもらい、その上で「これとこれもやれると楽ですよね」などのオプションを載せてスタンダードプランへのアップグレード受注までをする。しかしここからフル装備のプレミアムプランまでを提案してしまうと、「いや、そこまでは必要としてないよ」となってしまうということで、小さく入り、追加受注を載せる、しかし欲張りすぎない!ということが寛容ということですね。何事もやり過ぎにはご注意を(笑)。