TOP 経営者が持てる力を120%発揮できるとき コーチングが欧米で生まれ、日本人になじみにくかった理由。(1/4)

2019/11/26

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第1回

コーチングが欧米で生まれ、日本人になじみにくかった理由。(1/4)

  • 経営者が持てる力を120%発揮できるとき
  • 経営者
  • スペシャル対談
  • ゾム株式会社 代表取締役社長 松下信武氏
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

「経営者を語る」――今回の対談は日本にエグゼクティブ・コーチを導入した第一人者、『エグゼクティブ・コーチ 社長を鍛え、会社を強くする「心の軍師」』(共著、プレジデント社)などコーチング関連の著書を多数上梓され、エグゼクティブ・コーチや心理カウンセラーとしても活躍されている松下信武さん(ゾム代表)をゲストにお迎えします。

 

対談のテーマは、「経営者が持てる力を120%発揮できるとき」———。

一般のコーチングとエグゼクティブ・コーチとの違いや、経営者にコーチングが必要な理由などを弊社代表取締役社長・CEO井上和幸と語り合っていただきました。

全4回でお届けします。

井上 アメリカから「コーチング」が本格的に入ってきたのが今から20年くらい前。現在ではビジネスパーソンのみならず多くの人たちにかなり知られるようになりましたが、それでもアメリカと日本ではコーチングの風土に大きな差があると思います。松下さんは、その違いはどういうところにあると思われますか。

 

松下 アメリカの場合、比較的コーチングが入りやすかったのは、自我意識(エゴ)の強さにあると思います。あくまで一般論ですが、アメリカ人は自分自身の意識が強い。今の自分の課題が何かということを比較的捉えられやすく、自分には今こういう問題があって、ここを改善しなくてはいけない。それに対してプロを使っていこう――という意識が非常に強い国民です。

 

こういう話題で一番に思い出すのが、以前、日本プロテニス協会の会長さんがおっしゃっていた話です。スポーツにおけるコーチングの話なのですが、例えば、アメリカの選手は、「自分はサーブが苦手だから、それをコーチに直してもらいたい」といったように非常に具体的な課題を持っていて、そこを直してくれるようにコーチに依頼する。それに対して、日本の選手は、漠然と「テニスが上手になりたい」と言う人が多い――。そんな話でした。

 

井上 ありがちですね。情緒的かつ抽象的な……。

 

松下 コーチングというのは、その目的がハッキリしていないとコーチングができない。漠然とした目的で来られたら非常に困るわけです。

 

井上さんは人材コンサルタントや転職支援などをされているのでご承知のことでしょうが、昔よく流行った冗談で、転職の面接で「何ができるか?」と聞かれて、「私は部長ができます」と答えたという話がありましたよね。これも同じで、日本人の場合、「自分は何ができて、何をしたい」といったことを明確にわかっていない人が多い。「とにかく職があったらいい」という話になりがちです。

 

 

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プロフィール

  • 松下信武氏

    ゾム株式会社 代表取締役社長

    大阪生まれ、京都大学経済学部卒業。2004年に株式会社ベルシステム24の執行役員・総合研究所長に就任。2006年から2008年にはベルカレッジ校長を兼任。2007年から2010年、獨協大学経済学部特任教授。日本電産サンキョー・スケート部メンタルコーチとしてオリンピックにも複数回参加。2015年ゾム代表に就任。2018年にSBIビジネスサポート株式会社・企業教育総合研究所 上席研究員に就任。人材育成プログラム開発と若手研究員の育成を担当。同年、大学院大学至善館 客員教授に就任。日本のエグゼクティブ・コーチングの創生期から、エグゼクティブ・コーチとして活躍。現在も、月平均10名以上のエグゼクティブ・コーチングを行う。心理学の視点に立ち、様々な企業の人材育成のアドバイスや心理アセスメント作成をしている。

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    早稲田大学卒業後、リクルート入社。コンサルティング会社取締役、リクルートエグゼクティブエージェントマネージングディレクター等を歴任。2010年経営者JPを設立し、現職。