2019/10/29
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社長を目指す方程式
第25回
相手の性格を「5つの因子」で把握 部下を適切に管理して活かす便利ツール
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- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
「人間が持つさまざまな性格は5つの要素の組み合わせで構成されており、その強弱で私たちの性格や振る舞いが決まっている」。どうです?私たちの性格は、要はこの5つで構成され、決まっているのです。読者の皆さんには、「なるほど」とスッと捉えられる人と、「う~ん、そうなの?本当にこの5つだけで全部網羅されてるの?」といまひとつ腑に落ち切らない人とがいらっしゃると思います。
これも専門的な話なので概要だけ理解頂ければと思いますが、私たちが色々と目にする性格検査には「特性論」と「類型論」があります。
「類型論」は「このタイプの人は、これこれの性格です」というようなかたちで現しているパターンのもの(クレッチマーの「循環気質」「分裂気質「粘着気質」という気質類型やユングの「外向型」「内向型」に分ける機能類型など)です。この連載で以前にご紹介した「DiSC理論」や「Social Style(ソーシャルスタイル)理論」なども類型論に当たりますね。
対して「特性論」とは性格を幾つかの構成要素に分解し、そのそれぞれの要素が量的にどの程度備わっているかという側面から性格を理解しようという考え方です。
ビッグファイブは「特性論」です。因子ごとの理解なので、全体感は持ちにくいかもしれませんが、その分、因子ごとの特徴・傾向を正確に把握できます。
ビッグファイブは、全部高スコアならよい、という訳ではありません。そもそもそのような人は稀です。それぞれの因子ごとに高くても低くても、それぞれに良い側面とネガティブな側面とがあります。私たちがそれぞれ、どのような生活を送り、コミュニティに属し、また仕事をしているかにより、向き不向きや発揮すべき因子要素が異なります。大切なのは、「自分らしいスタイル」が適している場になるべく所属することです。その観点で、仕事の選択、職場選び、組織マネジメントでも活用できるものと言えます。