TOP 社長を目指す方程式 デキる上司は「WILL・CAN・MUST」を駆使して最強チームを作る

2019/10/01

1/3ページ

社長を目指す方程式

第23回

デキる上司は「WILL・CAN・MUST」を駆使して最強チームを作る

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント
 

60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >

 

 

こんにちは、経営者JPの井上です。

 

今やメジャーな「三つの輪」。「やりたいこと(WILL)」「できること(CAN)」「なすべきこと(MUST)」の3つの重なる部分に適職、天職がある、と。私がリクルート社に新卒入社し人事部門に配属され、一番最初に教わったフレームワークが「三つの輪」と「ジョハリの窓」でした。(「ジョハリの窓」についてもこの連載でいつかご紹介してみたいと思います。)

 

その当時はまだありませんでしたが、その後リクルートでは「Will Can Mustシート(WCMシート)」という目標管理シートが導入され従業員のキャリア開発支援の基盤となっています。
メンバーは半期に一度「WCMシート」を記入し、自身が仕事を通じて実現したいこと(Will)を明らかにして上長とすり合わせ、その実現のために何ができるか、どのようなことができるようになる必要があるか(Can)を確認した上で、何をすべきか(Must)を考えます。いわゆるMBO(Management By Objective、目標管理制度)ですが、個々人が自己目標をキャリア開発視点で設定し業務に臨む。また上長や部門では、所属メンバー達のWCMシートを元に配属やキャリアパスなども検討していきます。

 

このサイクルを半年タームで回し続けることを徹底しているところにもリクルートの人材力の強さがあると思います。皆さんの会社でも、半期や通期の目標管理制度を導入していらっしゃるなら「WCMシート」を組み込むことはさほど難しいことではありませんのでトライしてみても良いでしょう。ただ、大事なのは導入ではなく運用です。WILL・CAN・MUSTの棚卸しとすり合わせ、共有、実行のサイクルをしっかり回し続けることが大事なのです。

 

そして今回は、この「三つの輪」を読者の皆さんが上司の立場から、部下に対してやチーム編成・運営でどう有効活用できるかについての、日常での活用法をご紹介してみたいと思います。






 

今回の社長を目指す法則・方程式:

 

「三つの輪」

 

 

◆「やりたいこと(WILL)」については「提供する・提案する」

まず第一に明確にしたいのが、「やりたいこと(WILL)」です。
皆さんは部下に、常に問うていますでしょうか?「今、自分の仕事をどうしたい?」「次の半年、1年で挑戦したいことは何?」「将来的にやってみたいこと、達成したいことは何だろう?」「夢は?!」。
WILLには短期的なものと中長期的なものとがあります。この両方をしっかり考えさせ、アウトプットさせることが望ましいのです。(そもそも上司であるあなた自身が、ご自身の短期と中長期のWILLを語れないといけませんね。)

 

なぜこれが第一かというと、まず大前提として個々人それぞれのWILLがあり、それを組織として大事にしているんだよという宣言が、部下たちの主体性を養い、仕事への情熱(モチベーション)やコミットメントを高めることになるからです。一人ひとりのWILLを大切にし、活かしながらのMUST〜組織・会社がやって欲しいことなのだ、と。
逆に、一般的には往往にしてMUSTありき、「これをやりなさい」が第一での業務割り当てであり業務命令になりがちです。これが当人のやる気、意欲を削いでいるということが多いですね。

 

 

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

    この登場者の記事一覧をみる