TOP 社長を目指す方程式 デキる上司は「WILL・CAN・MUST」を駆使して最強チームを作る

2019/10/01

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社長を目指す方程式

第23回

デキる上司は「WILL・CAN・MUST」を駆使して最強チームを作る

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント

やりたいこと=志向ですから、部下当人の志向は職場側が提供、実現してあげるものなのです。あるいは若手新人や、成長の段階を迎えたメンバーに対しては、「そんなきみなら、次はこんなことをテーマにしてみたら?」と提案してあげるものでもありますね。
採用時においては、WILL=志向を満たせる場が自社に存在していることを伝えることこそが口説きポイントになる訳です。

あなたは自分の部下たちのWILLを可能な限り満たしてあげるような職務割り当てをしているでしょうか?そもそも、自分の部下たちの短期と中長期のWILLをご存知ですか?

◆「できること(CAN)」については「見極める・開発する」

次に、「できること(CAN)」についてです。
これは上司の皆さんは、執拗に(笑)部下の力量を見定めていらっしゃることと思います。ただ、2つ問題が内在していることが多いです。

一つは、上司の勝手解釈や偏見が入っていることが少なくないこと。「あいつは、これくらいの力量だ」「彼はこれは得意だが、あれは苦手だ」。もちろん上司として正確に、客観的に観れていることは多いと思いますが、もしかしたらこちらの主観や偏った評価をしているかもしれないという気持ちは捨ててはいけませんよね。

もう一つは、本人の自覚と他者評価がズレていることはかなり多いということ。「自分はこれができます」を上司のあなたが聞き、「ええ?」と驚くこともあるでしょう。上司としては100できて<できる>なのに当人は50で十分と思っている、「もう少し<できる>の水準をあげようよ…」など。
このためにもWCMシートのような形でしっかりと、自己評価を棚卸ししてもらい言語化させ、すり合わせることが大事なのです。

リクルートのWCMシートでは、CANについては「活かしたい強み」と共に「克服したい課題」も挙げることになっています。そしてその克服したい課題をクリアするための能力開発テーマを決め具体的な行動計画を立てます(それを半期で達成しにいきます)。
CANというと今できること(だけ)を見がちですが、人材開発視点で本人が「これから何ができるようになっていきたいか」と上司から見て「これから何ができるようになっていって欲しいか」を接合させることこそ、非常に重要です。

CAN=能力・スキル・専門性は、一つには上司として会社としてしっかり当人のCANを確認し見極めるべきものであり、かつ、今後に向けて開発していけるようセットアップしてあげるべきものなのです。

またCANは、採用時にはしっかりアセスメントし、エントリーマネジメントすべきものです。パーフェクトな状態である必要はない(パーフェクトな状態の人材を採用できるケースは稀である)ものの、わが社が必要とする人材要件としてのベースのCANを満たしていない人を採用してしまったら、入社後にいくらCANを伸ばそうとしても難しい。採用の失敗は教育では取り返せない、のです。

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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