2019/06/11
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社長を目指す方程式
第15回
社長になる人は動機付けがうまい 社員のやる気を引き出す「5つの特性」
- キャリア
- ビジネススキル
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
この職務特性モデルでは、職務における「5つの特性」がモチベーションを左右する要因だといいます。
①技能多様性(Skill Variety)②タスク完結性(Task identity)③タスク重要性(Task significance)④自律性(Autonomy)⑤フィードバック(Feedback)
以上の「5つの特性」を満たすことによって「有意味感」や「責任感」などの心理状態が発生し、モチベーションがUP。それが仕事の成果につながっていくと考えられるのです。
興味深いのは、ハックマン=オルダムがこの5つの特性を数式化していることです。
MPS(Motivating Potential Score)=(①技能多様性+②タスク完結性+③タスク重要性)/3 × ④自律性 × フィードバック
MPSとは「モチベーションが引き出されるスコア」のことで、「①技能多様性」「②タスク完結性」「③タスク重要性」が基本因子、「④自律性」と「⑤フィードバック」がレバレッジ因子となっています。
◆「①技能多様性」「②タスク完結性」
我が社ごとで恐縮ですが、経営者JPでは社員の業務担当の仕方を「仕事の流れ、関連性を重視したマルチタスク型」にしています。
例えば、Aさんはセミナー事業と会員事業、広報業務を兼務しています。こうすることで、外部向けセミナーの企画をすることと、それを発信すること、そこから顧客が流入してくるプロセスの管理、実際のセミナー運営までを担当することで、一連の全体の流れを見て、自分の責任と裁量で試行錯誤することができます。実際の顧客にも開催セミナーの場で触れるため、そこで得たリアルなFBをまた次のセミナーの企画内容や広報の仕方にも反映していく。
その過程を通じてAさんは、さまざまな職務スキルを身につけていきます。
「5つの特性」のうち、「①技能多様性」と「②タスク完結性」を満たしているわけです。
仕事はなるべく「大きく」切り取って担当しよう(させよう)、ということです。全体が見られて、様々な技を繰り出せるほうが、仕事に意味とやりがいを見出せると考えています。