TOP 社長を目指す方程式 「対比誤差」を逆手に出世争いを勝ち抜く 自身を差別化する3つの戦略

2019/05/28

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社長を目指す方程式

第14回

「対比誤差」を逆手に出世争いを勝ち抜く 自身を差別化する3つの戦略

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント

一例をあげれば、上司であるあなたは、自分が得意な部分については部下を評価する際に「こんなことも出来ないのか」とご自身の経験や実績の感覚と比較して部下を過小評価してしまいがちです。逆に、自分よりも優れたスキルや専門性をもつ部下に対しては、実際の評価以上に高く評価してしまうでしょう。

<対比誤差>は人事評価時における評価内容の正当性との乖離を表現する際に用いられ、人事評価の際に評価者が留意すべき事項として用いられます。
今回、これをあえて逆手に取ろうという訳です。

◆社内、上司に対して「自分だけが得意なこと」で勝負!

デキる人は仕事において、「社内」「顧客・市場」「自分」についてそれぞれ<対比誤差>を活用し、差別化を図ります。もちろん当の本人は「対比誤差を使ってやろう」などと狙っている訳ではなく、それまでの経験やセンスで行動している(と思います)のですが、優れた経営者やリーダーほど、この辺の立ち回りが非常に上手いなぁと、私も人材コンサルティングで様々な角度でお付き合いしていて感じさせられます。

まず一つ目、「社内」においての<対比誤差>の使い方から。

先にご紹介した通り、上司や同僚、あるいは社長は、自分が得意な部分については他人を評価する際に過小評価し、自分よりも優れたスキルや専門性をもつ人に対しては実際の評価以上に高く評価します。
つまり、「自分が得意で、社内には得意そうな人が見当たらない、少ないものは、何か?」を特定し、それを任される職務のチャンスとする!のです。

更に直接的に言えば、あなたが課長で上司が部長、事業部長などなら、その上司である部長、事業部長が苦手だがやらなければならないことを代行することを中心に、積極的に上司フォローを買って出る!ことです。
例えば上司が総論は強く人情肌だがロジカルな企画をまとめたり緻密な資料作成が苦手で、あなたがそれが得意なら、「僕がやっておきました。これでどうですか?」とフォローしてあげるタッグを組む。あるいは逆に上司は非常に戦略的論理肌だが、部下たちを個別にコミュニケーションケアするのが苦手で、あなたが部下や後輩たちの気持ちに寄り添うのが得意であれば、マインド的なフォローで常時サポートする。

これであなたの上司評価が5割増しとなること、出世に関して上司が積極的に推薦して引き上げてくれることは間違いなしです!

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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