2019/05/14
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社長を目指す方程式
第13回
偉大な企業を創った経営者たちが絶対に妥協しない「3つの円」とは
- キャリア
- ビジネススキル
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
偉大な組織、企業はこの「単純で一貫した概念」に一致する優れた決定を幾つも積み重ねていくことで築かれるのだと、ジム・コリンズは断言します。
これは、最近取り上げられることの多くなった「3つの輪」の企業版・事業版とも言えるでしょう。
「やりたいこと」「できること」「求められること=結果として提供価値が出せること」の重なりの中に、個人であれ、組織・企業であれ、そのベストパフォーマンスが存在するのです。
ジム・コリンズは、この3つを特定することについて一切の妥協を許していません。
特に難しいと思われるのが「自社が世界一になれる部分」です。針鼠の概念を確立しようとするときに、最も大切なことは、厳しい現実(「現状、世界一と言える部分はどこにもないし、これまでにもなかった」)を直視し、三つの円に基づく問いに導かれ、適切な人たちが活発に議論を交わすことです。
事例として分析された偉大へと至った企業は、自社が世界一になれる部分を見いだすのに平均4年を要していたとのこと。私たちに求められることも同様に、信念を持って諦めず、自社の理念に基づき、これまでのものに固執せず、自社のGREATを見いだすことに全精力を注ぐ執念ではないでしょうか。
「世界は変化している。この難題に組織が対応するには、企業として前進しながら、信念以外の組織の全てを変える覚悟で臨まなければならない。(中略)組織にとっての聖域は、その基礎となる経営理念だけだと考えるべきである。」――
トーマス・J・ワトソン・ジュニア(IBM2代目社長)