2018/05/22
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声と表情が変える、経営者・リーダーの存在感
第2回
表情の「悪いクセ」を直すためのトレーニング法がある。(2/5)
- スペシャル対談
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「経営者を語る」――今回は、フリーアナウンサーで、声&表情トレーナの菅家ゆかりさん(声とことばの磯貝メソッドⓇ正講師)をゲストにお迎えします。
「声と表情が変える、経営者・リーダーの存在感。」をテーマに、弊社代表・井上和幸と語り合っていただきました。全5回でお届けします。
井上 前回は、「人に見られることの多い経営者やリーダーだからこそ、自分が無意識につくっている《悪い印象を与えてしまう表情》に気を付ける」というお話をうかがいました。自分の意図を誤解されても困りますが、逆に、本音があからさまになっても困る。自分にとって不愉快な話を聞かされたときに、どんな表情をつくるかも大事ですね。
そういう意味では、国会などを見ていると政治家は偉いと思う。安倍総理などは、毎日あれだけ攻撃されていても、飄々としているように見えますし。カリカリしているように見えてしまったらダメなんでしょうね。
菅家 そうですね。たぶんそういう面で、心理的なアドバイスをもらっているのだと思います。
井上 無意識に出てしまう表情のクセを直すためのトレーニング方法を、もう少し教えていただけますか。
菅家 先ほども言いました通り、口元に力が入ると、どうしても顔の筋肉が下がってしまいます。また年齢と共に、何もしなくても重力で下がってきます。私自身も、自分の顔を鏡でぼーっと見たときに、「ああ、いけない、いけない」と思うことがあるんですが(笑)。
だからこそ、口元に力を入れないことです。唇の中心を意識する。今、体幹とか軸ということがよく言われますが、顔にも真ん中があります。眉間から、「人中」という上唇の溝、そして顎先まで、顔の中心を通るラインが整っていることが重要です。左右対称というのは見ていて非常に美しいですよね。大人になってから左右対称の方は少ないと言われていますが……。
井上 顔のバランスが左右でちょっと違ったりしても、印象が変わってしまうものですか?
菅家 はい。左右どちらかに力が入りやすいので、できるだけ中心を意識すると良いです。中心といっても感覚がつかみにくいと思いますが、意識しやすいのは唇です。
今日は鏡を持ってきました。唇の中心は自分で動かすことができ、意識しやすいですから、ご自分でもやってみてください。上唇の中心の山に、下唇を軽く合わせるだけです。こうすると口角に力が入りにくいんですよ。唇全体に力を入れると口角が下がってしまいますが、真ん中だけ意識して……、どうでしょう?リラックスした感じになりませんか?ヘンに意識することなく。
井上 そうですね、先ほどと明らかに違います(笑)
菅家 真ん中だけだと、唇全体に力が入っていないので、笑顔にするときにもスーッと口角が上がるんです。ところが、唇全体に力が入ってしまうと、表情に鍵をかけたようになってしまいます。笑顔にする場合、そこから鍵を外して「よっこらしょっ」となる必要があるんですね。また、顔の筋肉を上げるということに関して言うと、顔の中で一番面積が広いほっぺたが上に動くかどうかが重要です。頬の下側が頬骨に向かってグーっと上げられると、表情が大きく変わりますし、しゃべりやすくなるんですよ。
口元に力が入っていて頬が上がらないと、口腔内の空間も狭く、声も籠ってしまいますし、明瞭さもなくなります。口に力を入れて横に引っ張らないで、頬を上げてみる。そうすると目元にしわが入るくらいに口角も頬も上がり、明るい印象の笑顔になります。顔全体が笑っている表情になるんですね。
井上 よく、「ウイスキー」と言いなさいという指導を聞きますが。
菅家 「ウイスキー」と言うと口角を上げやすいのですが、唇だけに力が入ってしまい、横に引っ張られやすくなります。一緒に頬も上がればいいのですが、自分では笑っている感覚はあるものの、顔全体を見ると、口元だけしか笑っていないということになりがちです。口元はリラックスし、上唇と頬がグーッと上がると、「あの人はすごく笑っている。ゆとりがあるな」という印象になりますよ。
井上 皆が見ている前でやるのは、なかなか難しいですね(笑)。たぶん、自然に笑えているときには、そうなっているんでしょうね。
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