2016/11/15
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スペシャルコラムドラッカー再論
第51回
マネジメントの役割とは?
- エグゼクティブ
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
今回、続いて、ドラッカーは「マネジメントの役割」をどう定義したかについてご紹介してみたい。
その前提として、ドラッカーは、「組織は社会の機関である」と述べている。これはいったい、どういうことだろう?
当たり前のことだが、組織は、組織それ自体のために存在する訳ではない。(しかし、やっかいなことに、ひとたび組織が出来上がると、その組織は“自らを生きながらえさせるため”に、自己目的化し膨張を始める—マクナマラの法則)
組織は、社会的な目的を実現し、社会、コミュニティ、個人のニーズを満たすためにこそ、存在するのだ。組織は決して「目的」ではなく、あくまでも「手段」であることを忘れてはならない。
ここからドラッカーは、マネジメントの役割を導き出している。
どういうことかと言えば、つまり、マネジメントとは、その組織に対して果たすべき役割によって定義されなければならないのだ。
「マネジメントには、自らの組織をして社会に貢献させるうえで三つの役割がある。それら三つの役割は、異質ではあるが同じように重要である」(『マネジメント—課題、責任、実践』、1973年)
その三つとは、以下の通り。
1)自らの組織に特有の目的とミッションを果たす
2)仕事を生産的なものとし、働く人たちに成果をあげさせる
3)自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに、社会的な貢献を行う
それぞれについて、次回、少し詳しく補足してみたい。