TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 「気づける力」の秘密――成長が「速い人」は、何が違うのか?

2018/11/15

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第14回

「気づける力」の秘密――成長が「速い人」は、何が違うのか?

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • 荻阪 哲雄氏 株式会社チェンジ・アーティスト 代表取締役 多摩大学経営情報学部客員教授
 

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1万2000人のリーダーの支援、観察から得た飛躍の7力とは

筆者は、警視庁、ベンチャー企業、スコラ・コンサルトを経て、2007年に独立。日本を変える「新しい組織開発の実践」をつくるため、チェンジ・アーティストを設立しました。   実践型の組織開発プロフェッショナルとして、企業の「職場結束力」をつくり、リーダーの「成長支援」をしてきました。 現在は、コンサルタントの傍ら、多摩大学経営情報学部の客員教授として、次代を担う学部生を支えて「ビジョン・マネジメント論」の研究を進めています。   特に企業変革を支援するコンサルティング現場では「成長の速い人は、何が違うのか?」その「問い」を立て、1万2000人のリーダーの支援、観察を続けました。

その結論は、成長が「速い人」の違いは、自分に具わる「気づける力」を発揮していることでした。

 

気づける力とは、職業を通した、学び方を学ぶ力だったのです。それは、仕事で直面する学びを通し「あぁ、そういうことか!」「これは、その学ぶ意味があったのか!」「自分の課題は○○だ!」と、成長が速い人は、働く中で、気づける力を生かしていました。その人は、自分が自分の「成長課題」を自発的に、速く、気づくことができるのです。

 

逆に、成長が遅い人は、自分の気づきにスピードがありません。人間は不思議なもので、関わる相手の課題は、すぐに見えるのですが、自分の「真の成長課題」になると、気づける人は少ないのです。

 

では、そもそも、学び方を学ぶ「気づける力」とは、どんな「学び方」で、いかなる「力」なのか? その問いを立て、研究を続けました。その結果「気づける力の秘密」には、7つの力が、組み合っていることを解明したのです。その力を、筆者は【飛躍の7力(ななりき)】と名づけ、体系化して新刊で発表しました。誰もが7力という「成長術」を使うことで、気づく速さを、変えることができます。

 

■あなたの成長は「飛躍の7力」で速くなる!

まず、飛躍するための第1の力は何か。【惹く】熱望力です。あなたは今、職業を通して、強く望んでいることはありますか?その「自分の熱望」に気づくことが、成長を速める第一歩になります。熱望力とは、その対象を「惹(ひ)く力」です。

 

熱を最も感じる「惹かれる対象」を定めることで、ぶれない自分へ変わることができます。対象の見つけ方は、「社会の課題」と「自分の関心」の接点を、発見することがツボになります。筆者の場合は、若き日に「変革」と「教育」の課題へ惹かれることを感じました。

 

具体的には、接点の対象を「組織文化の変革」に定め「コンサルティングの仕事」を通して、働くリーダーの成長を支えたのです。そして、日本発の「組織開発の実践」を拓く道を歩みました。気づくと、その熱は「30年の歳月」を継続させ、惹きつけてくれたのです。

 

惹く熱望力は、あなたの中にも、具わっています。自分の熱がある対象に、気づくことが飛躍への出発点になるのです。

 

次に、第2の力は何か? 【試す】実験力です。あなたの熱望は、持っているだけでは具体化されません。試す実験力は、一歩一歩の試行錯誤から、課題の実現へ近づけていく力です。

 

筆者は、クライアント企業の「変革現場」と、大学の「教育現場」で、成長が「速い人」と「遅い人」を目の前で、見て来ました。その違いを1つ語れば、成長の遅い人は、試す力が発揮できていない人でした。アイデアを調べたり、分析したりはしても、仕事で試し続けることができない人です。ここに、日本企業が「計画8割、実行2割」といわれる本質があります。試すことで、今の現実を変える「智恵」が掴めることを、知らない人が無数にいます。

 

読者に具わる「熱望」は、試すことで「形」へ変わります。実験力。その試す力が、自分を飛躍へと導いてくれるのです。

 

 

プロフィール

  • 荻阪 哲雄氏

    荻阪 哲雄氏

    株式会社チェンジ・アーティスト 代表取締役 多摩大学経営情報学部客員教授

    1963年、東京生まれ。多摩大学大学院 経営情報学研究科修士課程修了(MBA取得)。警視庁、ベンチャー企業勤務の後、1994年、組織風土改革コンサルティングファームスコラ・コンサルトの創業期に参画。同パートナーを経て、2007年 独立。1万人以上のリーダーを支援する中で編み出した、新しい組織開発の実践手法「バインディング・アプローチ」を提唱して、チェンジ・アーティストを設立。人と組織が変わる「ツボ」と「コツ」を、わかりやすく教えることに定評がある。2016年、多摩大学 客員教授に就任して「ビジョン・マネジメント論」を開講。著者に、最新刊【成長が「速い人」「遅い人」(日本経済新聞出版社)】【社員参謀!-人と組織をつくる実践スト-リ-(日本経済新聞出版社)】【リーダーの言葉が届かない10の理由(日本経済新聞出版社)】【結束力の強化書(ダイヤモンド社)】などがある。

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