2018/09/21
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私が経営者になった日
第4回
【じげん 平尾氏】起業家と事業家と経営者(1/3)
- キャリア
- 経営
- 経営者インタビュー
- 平尾 丈氏 株式会社じげん 代表取締役 社長執行役員 CEO
【vol.1】起業家と事業家と経営者
【vol.2】有言実行でやっていく人は格好いい
【vol.3】経営者とは、やらないとできないものである
●マーケットが伸びる限りは起業家、事業家で
学生起業家としてビジネスコンテストに複数回優勝、慶應義塾大学時代に既に2社のネットベンチャーを起業していた平尾氏。代表取締役を続けながら入社したリクルートでは、グループ会社の最年少取締役として出向した。さらにグループ会社最年少社長となった後、MBO(経営陣買収)で完全独立を果たす。11年連続で増収増益を続け、今年6月にはマザーズから鞍替えして、東証一部に上場もさせている。
「上場もしていますし、多くの株主の方もいますから、もちろん経営者の自覚がないわけではありません。しかし、年齢もまだ若く、何かの経済団体に所属しているわけでもないので、実は世の中でいう『経営者としての自分は』というような感覚があまりないのです。もともと起業家からのスタートで、IT分野に属しているからなのか、マーケットが伸び続けるかぎりは、起業家であり事業家でなくてはならないと考えています。起業家、事業家、経営者の三毛作でずっとやっているから、“ここで私は経営者の自覚を持った”というような経営者としてだけの視点では語れないのかもしれないですね。」
しかし、MBOと上場は、3つの顔を持つ平尾氏の経営者としての転機でもあった。
●雇われ社長からMBOで独立へ
リクルートからジョイントベンチャーの立ち上げに最年少取締役として参画し、代表取締役となった2010年。平尾氏は大きな決断をする。「売上で10億円位が見え始めると、自分たちの事業はもっと違うやり方の方が伸びるじゃないかということも考え始め、雇われ社長から、自分で借金を負って会社を買い取って、もう一度独立すると決めたのです。」
父の急死で自分の死生観が芽生えたことも、この決断に影響した。
学生時代から自分で経営していた会社、リクルートの社員、リクルートグループ会社の最年少取締役から社長という三足のわらじの全てで高いパフォーマンスを上げていた。
しかし、一度きりの人生なので、自分の全てを一つのことに突っ込んでがんばってみようという考えに至ったという。