2018/01/09
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スペシャルコラムドラッカー再論
第104回
ドラッカーが定義する「マネジメントの仕事」とは。
- エグゼクティブ
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
ドラッカーは、そもそもマネジメントには次の2つの課題があると言う。
1)第一に、部分の総和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す必要がある。
「そのためには、自らの資源、特に人定資源のあらゆる強みを発揮させるとともに、あらゆる弱みを消すことができなければならない。これこそ芯の全体を創造する唯一の方法である。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』、1973年)
2)第二に、自らのあらゆる決定と行動において、直ちに必要とされるものと、遠い将来に必要とされるものとをバランスさせることである。いずれを犠牲にしても組織は危険にさらされる。
「今日のために明日犠牲となるものについて、あるいは明日のために今日犠牲となるものについて、計算しなければならない。それらの犠牲を最小にとどめなければならない。それらの犠牲をいち早く補わなければならない。こうして組織全体と自らが率いる部門の双方に責任を持ちつつ、二つの時相を生きなければならない。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)
改めて、マネジメントとはバランスであり、両極に相対するものをいかにマネージすることで、インプット<アウトプットを実現し続けるかの技であると感じる。
さて、その上でドラッカーは、マネジメントの仕事には基本的なものが5つあると言う。
1)目標を設定すること。
2)組織すること。
3)チームをつくること。
4)評価すること。
5)自らを含めて人材を育成すること。
「それら5つの仕事が相まって、活力にあふれた成長する組織を生み出す。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)
今回はまずは頭出しとしよう。2018年、まずは上記を前提に、ドラッカーが語る「マネジメントとは」について、詳しく見ていくこととしたい。