2017/12/12
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経営者心理学〜現代ビジネスシーンでの、こころの使い方
第3回
「インフォーマルコミュニケーション」――職場の人間関係を作り、生産性も上げる“魔法”が存在する。(3/5)
- スペシャル対談
- ビジネススキル
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「経営者を語る。」――今回は、作家で心理学者の晴香葉子氏をゲストにお迎えします。
今回の対談では、「ビジネスシーンでの幸福感や社会的孤立」、「経営者として求められる役割」などについて、弊社代表・井上和幸と語り合っていただきました。全5回でお届けします。
井上 進化心理学という考え方は興味深いですね。前回までの孤立不安の話も、生物学的に人間はそんなふうに不安に思うものだと受け止めるということですよね。
晴香 みなさん、スマホやモバイルPCを操って、時にはスタイリッシュなカフェでも仕事をしていますよね。とてもオシャレだし、素敵なビジネスマンに見えますが、実はその中には、孤独を感じている人も、いるかもしれないですよね。私なども元気そうに見えるかもしれませんが、実は今日寂しいかもしれない。
孤立不安というのは、いわば「進化の置き土産」なんですね。だからもし、寂しさを感じることがあっても、ちょっとこの記事を思い出していただいて、「今は狩猟採集時代ではないし、一人でいても命の危険はない」「寂しさを感じることはあるものだし、みんなもそうだ」と考えて、一安心されるといいと思います。
そして、経営者の方には、人間にはそういうDNAがあり、従業員の中には、表面的には元気そうでも、実は今日寂しい思いをしている人がいるかもしれないということを知っておいてほしいと思います。
井上 こういった孤独感や孤立感といったことも、進化心理学という枠組みで考えると、また違う気づきになりますね。
晴香 そうですね。ただし、孤立不安にはすごく良い面、幸せの力もあるということを添えておきたいと思います。孤立不安は、私たちが人を頼り、お互いに助け合うことを促進するんですね。人間とチンパンジーは700万年前くらいに共通祖先から分かれたんですが、両者の大きな違いとして、チンパンジーは一人の赤ちゃんを育てるのにだいたい5年くらいかけます。最初の子が独り立ちしたら次の子にいく。基本的に自分だけで育てて、誰かに赤ちゃんを任せることは、ごく一部の例外を除いて行いません。
一方、人間は年子で子供をどんどん産んだりします。多くの国には昔から、代理母や乳母といった、子育てを手伝てくれる存在がいます。代理乳が普及する前は、日本でも、母乳まで代わりに与えるという風習がありました。そのために次の子までに5年もかけないで産むことができるようになり、急激な多産を実現し、世界中に仲間を増やすことができたわけです。人間が食物連鎖のトップ、地球上で一番のポジションになれた理由には、実はこうした特徴があったと考えられています。
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