2023/09/28
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第165回
成功している経営者はなぜ神社好きが多いのか?
- キャリア
- ビジネススキル
- 八木 龍平氏 社会心理学者/博士Ph.D.(知識科学)/神社の案内人
お金を沢山持っている状態で人間不信なら、「お金を奪われやしないか?」「こちらの意に反して一方的に利用されやしないか?」と、周りを警戒し、心配します。これでは大金を持っている・稼げるからこそ、精神的に辛くなります。
一方、周りはいい人が多いと信用している状態だと、お金を沢山持っていることは、ありがたいことです。楽しいこともより沢山経験できるし、困っている大事な仲間を助けられます。
成功している経営者は意外と不幸。だからこそ神頼みが効果的
経営者は基本的に孤独です。トップに立つと、当然ながら上司は無く、誰かに指導されたり、激励されたりは無くなります。常に指導や激励をする立場です。周りの人から注意されることも無くなるため、自分で自分を注意しなくてはいけません。ニデック(旧・日本電産)創業者の永守氏は、神社参拝の心をこう言います。
「月一度、早朝からの参拝は『神様が必ず見ている』と心得る大事な時間だ」と。
トップに立つ人にとって、目に見えない神様や仏様は、心の上司であり師匠です。孤独で、悩みを相談できる立場では無いからこそ、人一番悩みも大きくなります。そんな時、神社仏閣に参拝し、手を合わせる中で、口には出さずとも、神仏に悩みを相談されるのでしょう。「神様が必ず見ている」という永守氏の言葉は、神様が見ているからこそ自分を律し戒めると共に、見ていてもらえる安心感をえているのだと思います。
ここで神仏の種明かしというか、本質のはなしをすると、「神様(仏様)が必ず見ている」とは、「私は私を必ず見ている」ということです。自分の中にある神性・仏性を見つけることが、神道や仏教の目的だからです。自分の中の神性・仏性を見つけて自分を心底信じられるようになると、他人も信じられるようになります。逆に、自分を信じられないと、他人に依存し、振り回され、裏切られた・信用できないと感じてしまいます。なぜなら、他人は自分の思い通りにならないからです。
経営は「経」を「営(いとな)む」と書きます。この「経」とはお経のこと。つまり仏の教える「人の道」です。そう考えると、経営者と、仏教や神道のような、自分の道を探究する宗教哲学は相性が良いのも当たり前です。神道は元々教祖がいないし、僧侶も昨今は世俗化が進んで教祖化する人がいなさそうなので、私も安心しておすすめできます。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >
■書籍情報
成功している人は、なぜ神社に行くのか? 単行本(ソフトカバー)
著者: 八木 龍平
出版社:サンマーク出版
価格:1,040円 ※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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