2023/06/07
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異能の経営者 ~ I know. ~
第47回
【株式会社ヴァンガードスミス代表 田中 慶太氏】 会員数82万人突破。元警察官による近隣トラブル解決支援。【前編】
- 経営
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- 経営者インタビュー
- 田中 慶太 氏 株式会社ヴァンガードスミス 代表取締役
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近隣トラブル解決支援を掲げるベンチャー、ヴァンガードスミスが急成長しています。
不動産業者と連携しているサービス「mamorocca(マモロッカ)」と異業種連携(OEM)を通じた個人向けのサブスクリプションサービス「Pサポ」を合わせて会員数が82万人を突破しました。
2015年に同社を立ち上げた田中慶太さんは、北海道警の元警察官。ふたつのサービスの相談は元警察官が対応しています。
前編では、警察を飛び出してから起業にいたるまでの歩みを聞きました。
(聞き手/川内イオ)
『踊る大捜査線』に憧れて
――まずは、田中さんの原点を教えてください。田中さんは北海道警察の元警察官ということですが、そもそもなぜ警察官を目指したのでしょうか?
田中 わたしは、北海道の中札内村というところで生まれ育ちました。小さい頃から警察官ってかっこいいなと思っていて、保育園の文集に将来就きたい職業として「警察官」と書きましたね。その想いが高まったのが、中学生の時です。ドラマ『踊る大捜査線』で織田裕二が演じる青島刑事に憧れて、「正義感を体現して、人から感謝されるような人生を歩んでみたい」と思うようになりました。
――そうなんですね。小樽商科大学に進学したのはなにか目的があったんですか?
田中 いえ、高校の進路指導の先生に、大学に行くことを勧められたんです。大学に入ってからも、警察官志望は変わりませんでした。大学卒業後、北海道警に入って札幌のすすきのにある交番に配属されました。
――子どもの頃からの夢だった警察官の仕事に就いて、なにを感じましたか?
田中 現実を知りましたね。当時の警察の業務では、ケガや証拠がないと取扱いが難しいのです。もう少し事件を予防する方向に踏み込めないのかなと思っていましたが、起きた事件を適切に処理することで手一杯で、そこまで余力がない。そこにもどかしさを感じていました。でも、警察組織や仕事の枠組みを変えるには、キャリア警察官になるしかありません。それで、試験を受けるために上京しました。
不動産ベンチャーで感じたやりがい
――しかし、キャリア警察官にはならなかった。その理由を教えてください。
田中 生活のために、不動産ベンチャーに就職しました。試験に合格するまでの腰かけのつもりでしたが、その仕事にやりがいを感じたこともあって、キャリア警察官の試験を受けませんでした。
――どんなところにやりがいを感じたのですか?
田中 なにより、感謝されることが多かったんです。
警察官の制服を着て仕事していた頃に、ありがとう...
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