2023/04/06
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第149回
元JAL客室乗務員教官が大切にしている「本当に気がきく人」は、お客さまに何も言わせない
- キャリア
- ビジネススキル
- 七條 千恵美氏 元JAL CA・人材育成コンサルタント
これは誰かに強制されたわけではありません。それでもいろいろなことに気づけたのは、それが自分にとって大切な対象だからです。気づく力、つまり察知力は生活の中でも磨くことができます。
そして、お客さまから何の要求がなくても察知して行動できる人こそ、真の「気がきく人」だと言えます。
「愛情、興味、関心」こそ、質のよい気づきの源
他の例えで言うならば、自分が好きな俳優さんや野球チーム、趣味の情報であれば、時間や労力を気にせずに収集できるのではないでしょうか。つまり愛情や興味、関心こそ「質のよい気づき」の源なのです。仕事でも日常生活でもそのような思いを持って接することで、相手が言葉で発していない情報にも気づくことができます。
もちろん、職場や取引先では好きな相手や仲間を選べるわけではありませんから、苦手な人もいるかもしれません。「愛情を持つ」のは難しくても、興味や関心を持つことから始めることです。
CA時代は接客に苦慮するお客さまを担当するときでも、「きっとこのお客さまが笑顔になってくれるポイントがあるはず。それはどこだろうか?」と興味を持ちながら、対応を考えていました。苦手な上司や先輩に対しても「なぜ、こんな言い方をしたのだろうか?」と関心を持ってあれこれ想像を巡らせたものです。
もちろん、それで解決できなかったこともありましたが、「相手に興味、関心を持つ」という習慣は、その後の大きな財産になりました。
いろいろなことに気づき、気づいたらトライ&エラーでさらに気づきを得る。そのような習慣こそが、やがて仕事やプライベートで「よく気がきく人」と認識されることにつながっていくはずです。まず「相手に関心を持つこと」が気づく力の訓練になるのです。
訓練教官をしていたときは、寝る前に訓練生一人一人について「今日はどんな様子だったか」「その人とどんな会話を交わしたか」などを思い出すことを習慣にしていました。そうすることで得られた情報量やコミュニケーションの偏りに気づくことができました。その場合には翌日は優先的にその訓練生をしっかり観察するようにしていたものです。リーダーになると責任も増えて大変な思いをすることもあるでしょう。しかし、チームメンバーのひとりひとりにぜひ関心をもってほしいと思います。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >
■書籍情報
「気がきく人」が大事にしている、ちょっとしたこと: 誰でもできるけど多くの人がしていない7つのルール 単行本
著者: 七條千恵美
出版社:Clover出版
価格:1,540円
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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