TOP 成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」 会社を強くする、3つの改革と42のボタン/『パナソニック覚醒 愛着心と危機感が生む変革のマネジメント』

2023/04/03

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成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」

第172回

会社を強くする、3つの改革と42のボタン/『パナソニック覚醒 愛着心と危機感が生む変革のマネジメント』

  • ビジネススキル
  • 組織
  • 経営
  • 戸田 顕司氏 株式会社 日経ナショナル ジオグラフィック 社長補佐

 

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成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」では、成功している経営者が注目している、読んでいる書籍をご紹介してまいります。


今回は、『パナソニック覚醒 愛着心と危機感が生む変革のマネジメント』。本書の編集を手掛けられた、日経ナショナル ジオグラフィックの戸田顕司氏に見どころを伺いました。

新卒で入社した会社に、25年後に経営者として戻る――こんな珍しいキャリアを持つのが、著者の樋口泰行さんです。1980年に松下電器産業へ入社するも、ハーバード・ビジネス・スクール留学後の1992年に退社。日本ヒューレット・パッカード社長から経営再建中のダイエーに転身、日本マイクロソフトでも社長を務めました。そして、2017年、パナソニックに再び入社しました(ご存じの方も多いと思いますが、念のため、松下電器産業は2008年にパナソニックへ社名を変更しました)。

 

パナソニック出社初日の思い出を、樋口さんはこう振り返ります。「驚いたことに、まったく変わっていなかった」。

 

デジタル化やグローバル化などビジネスを取り巻く環境は激変し、将来予測が困難な「VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)」の時代で、企業は対応を迫られています。にもかかわらず、古巣は旧態依然のまま。樋口さんが強烈な危機感を持ったことは想像にかたくありません。ただ、会社もそれまでまったく手を打ってこなかったわけではないでしょう。見方を変えれば、組織の変革は一筋縄ではいかないことの証しともいえます。

 

パナソニック コネクトの社長を任された樋口さんは、どうやって組織を変えて会社を強くしたのか。5年間にわたる取り組みを、企業や組織のリーダーが実践できるようにまとめたのが本書です。

 

改革を、まず「カルチャー&マインド改革」、次に「ビジネスモデル改革」、そして「事業立地改革」と、3階層で考えます。

 

「カルチャー&マインド改革」は、個人と組織のパフォーマンスの最大化に取り組みます。変革推進室や風土改革本部といった組織に任せるのではなく、トップ自らがロールモデルになる重要性を説きます。例えば、画一的な服装が画一的な発想につながると考える樋口さんは、自ら率先してカジュアルな服装で出社します。それを見た社員は、最初はおっかなびっくりでしたが、1週間ほどでみな慣れてきたそうです。それでも、「スーツ好き」を公言する社員もいます。そこで、樋口さんは「スーツ同士よりもカジュアル同士のほうが、コミュニケーションが豊かになる」というデータを示して、カジュアル化の意図を説明しました。生産性向上につながると理解した社員は、翌日からジーパンで出社するようになり、コミュニケーションが円滑になったという実感を得ているとのことです。

 

「ビジネスモデル改革」ではハードウエアからソフトウエアやソリューションのビジネスへの転換、「事業立地改革」ではM&A(合併・買収)による事業の拡大や撤退について、当時の様子と考え方を明かします。さらに、女性活用をはじめとするダイバーシティー、IT(情報通信)を活用したデジタ...

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プロフィール

  • 戸田 顕司氏

    戸田 顕司氏

    株式会社 日経ナショナル ジオグラフィック 社長補佐

    日経ナショナル ジオグラフィック社長補佐。1991年4月、日経BP入社。日経トップリーダーや日経パソコンの記者、日経ビジネス副編集長、日経レストラン編集長などを経て2022年1月から現職。大企業やベンチャー企業、IT企業など経営について広く取材活動を行った。著書に『吉野家 安部修仁 逆境の経営学』、共著に『本田宗一郎と松下幸之助』、編集担当として出口治明著『教養としての「地政学」入門』や出井伸之著『個のイノベーション』(いずれも日経BP)などがある。

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