2023/03/23
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第147回
「本当に役立った」マネジメントの名著64冊を1冊にまとめてみた
- キャリア
- ビジネススキル
- 中尾 隆一郎氏 FIXER 執行役員副社長
どうやって本を選んだのか
私は前述のように22年間、年に100冊読書を続けています。10年前からはそれをFacebookに書評として挙げています。その一部は、私が経営している中尾マネジメント研究所の「Nakao Library」に取上げています。その関係で、どんな本を読めば良いかアドバイスを求められることがあります。しかし、なかなか本選びのアドバイスは難しいのです。それは、その人の目的や状況によって適切な本が異なるのです。しかも、アドバイスをして本を実際に読んでくれたのか? そしてそれが役に立ったのかを知るすべもありません。では、今回どうやってこの本で紹介する本を選んだのか? そんな疑問を持つ人もいると思います。その通りです。
その種明かしをしましょう。
3つあります。私はリクルートに29年間勤めていました。
1つ目は、私自身が本の内容を事業運営や会社運営の参考にしていたのです。自分自身の経験から役立つ本を選びました。しかしそれだけでは、偏りが大きすぎます。リクルートのしかも私が経験した部署だけで有効な本からもしれないからです。
2つ目は、自分が経営を任されていた2つの組織で、管理職育成のために主催していた「中尾塾」での経験です。この塾では9カ月かけて管理職に必要なスキルとしてPE(People Empowerment:自分も含めて人をやる気にする力)とPM(Project Management:仕事を進める力)を身につける事をしていました。その際に毎月2冊、9カ月で合計18冊を課題図書としていました。合計100人程度の管理職をこの中尾塾を通じて育成した中で、ビジネスを進めるのに本当に有効な本がどれなのか把握できたのです。
これで、リクルート内の話ですが、私以外の管理職が活用できる本を選ぶことができました。
さらに3つ目です。私はリクルートを卒業(リクルートでは退職することを卒業と呼びます)して、独立した後、対象を経営者とした新生の中尾塾を主催しています。現在は20代から60代まで上場企業からスタートアップまで、そして業種もさまざまな50人超の経営者が参加してくれています。ここでも毎月2冊課題図書を出しているのです。
またこれに加えて、毎週1回4人1組のG-POP(R)版GC(ジーポップバングループコーチング)というミーティングをしています。ここでは参加する経営者の具体的な課題に対してアドバイスをし、その際に参考になる本を紹介しているのです。ここで、実際にその本を読んだのか、それを活用したのか、それが効果が出ているのか、手に取るように理解できるのです。これで、リクルート以外のさまざまな規模、業種の経営者に有効な本を選ぶこともできるようになりました。
ですので、今回紹介した本は、単によく読まれているという本ではなく、さまざまな立場の人たちが実際のビジネスで役立つ可能性が高い本をピックアップできました。その結果、古典から最新刊までいろいろなジャンルの良質な本を選ぶ事ができたのではないかと自負しています。
中身も単純に本の紹介だけではつまらないので、私や中尾塾の参加者に関係するエピソードを中心に記載しました。また、本を購入する前に要約を読んでから判断したい人向けに要約サイトのFlierに要約が載っているものは分かるようにしておきました。
この本を読んで、1冊でも多く、皆さんの仕事に役立つ本との出会いがあれば、とてもうれしいです。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >
■書籍情報
「本当に役立った」マネジメントの名著64冊を1冊にまとめてみた 単行本
著者: 中尾 隆一郎
出版社:PHP研究所
価格:2,167円
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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