2023/03/09
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第145回
「部下が発言しない会議」は上司に責任がある
- キャリア
- ビジネススキル
最初に宣言してしまえば、参加者の心理的なハードルも下がります。
発言内容よりも「顔」が問題になっている
もしも「私は否定的な意見を言わないのに、会議がお通夜みたいだ」と思う方がいれば次のようなケースかもしれません。想像してみてください。会議室のど真ん中にデーンと座った上司が、眉間にシワを寄せて、腕組みをして、会議の参加者ににらみを利かせていたら、どうですか?
その無言のプレッシャーの中で、あなたは意見を言うことができますか? 不機嫌そうな顔をした年配者が、参加者の1人として存在しているだけでも、会議時間が長くなるというデータがあるのです。
もっとも、上司自身は怖い顔をしているなんて意識はありません。あくまで、普通に座っているつもりなのです。しかし、人間の顔は年齢を経ると、筋肉の衰えに伴い自然に口角が下がりがちになります。これは誰にでも起きる現象なので、意識してフェイスマッサージをしているか、常に笑っている陽気なタイプのキャラでもないかぎり、ある程度仕方がないことなのです。
しかし、部下にはそんなことは分かりません。上司が口角を下げて、ひと言もしゃべらずに腕組みなんてしていたら、会議の雰囲気はもう最悪。
「ヘタに発言すると怒られるのではないか」という妄想によって、参加者は委縮してしまいます。まるでギリシャ神話のメデューサににらまれて石になったように、参加者は発言しなくなります。まるで「メデューサ上司」です。
どうしてそんな妄想をしてしまうのかというと、「心理的安全性」(何を発言しても安全だという心理状態)が確保できていないのが原因です。いくら見た目が怖い顔でも、内面は優しいということが分かっていればプレッシャーはかかりません。
しかし、人の内面は目には見えないものです。会議の参加者全員と「心理的安全性」を確保するのは、なかなか難しいでしょう
口角上げようキャンペーンが効果的
上司本人だって、まさか自分の顔が、会議の発言者を減らしているとは認識していないものです。簡単な解決策は、上司に口角を上げてもらい、笑顔になってもらうこと。とはいえ、急に笑顔になれと言われても、なかなか難しいものです。オススメなのがキャンペーン化すること。
私は実際に、複数の大手企業において、「40歳以上の男性は口角を上げようキャンーン」を実際に行ってもらいました。その結果、たった2カ月のトライアルで、会議時間が約1割(8%)も短くなりました。協力してくれた企業の方も驚いていましたが、「心理的安全性」はそれだけ大事ということです。
もし、あなたが1人でも部下を持つ立場であったり、後輩をリードする先輩の立ち位置であるなら、ぜひ、この話を参考にしてください。口角を上げるように気を付けるだけで、部下や後輩の心理的安全性も確保されますから、部署やチームの人間関係も良好になるでしょう。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >
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※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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