2022/11/18
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イマ、ココ、注目社長!
第290回
飲食店のバックヤードを省力化する「仕込みの外部化」で急成長。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 西原 直良氏 株式会社シコメルフードテック 代表取締役 CEO
慢性的な人手不足に加えて、原材料費の高騰などで苦境に立つ飲食店。いまだにアナログなそのバックヤードに着目し、1店舗から仕込みの外注を可能にするアプリ「シコメル」を開発したのは、2019年12月創業のベンチャー、シコメルフードテックです。
同社を率いる西原直良さんは食品のOEMを手掛けてきた経験を活かし、食品工場と飲食店のマッチングによる「1店舗からのセントラルキッチン」をコンセプトに掲げています。
2020年5月にアプリがリリースされてから2年半で、アプリダウンロード数1万7,000超(2022年9月時点)、登録店舗数2,852店(2022年9月時点)と右肩上がりでユーザーが増加しているサービス立ち上げの背景を伺いました。
(聞き手/井上和幸)
大学を中退して起業した理由
――2019年12月に立ち上げたシコメルフードテックは、西原さんにとって2社目の起業ですね。現在の事業につながる部分もあると思うので、まずは1社目について教えてください。
2002年に大阪府立大学の経済学部を中退されて輸入食品の卸しの会社、西友フーズを起業されています。それはどういうきっかけがあったんですか?
西原 実家が商売していたというのが、半分ぐらいの理由です。大阪で靴とか草履のソールを糊付けする事業をしていたんですよね。残りの半分は、高校時代の親友や、仲良かった友達がハイランクな大学に進んで、医者や弁護士という道を選んでいるなかで、僕は受験がうまくいかなかったので、 せめて自分で事業をしてお金儲けぐらい勝たないとと思って。
――そういう理由だったんですね。なぜ輸入食品の卸業を選んだのですか?
西原 父親の友人からそういう事業をスタートしたいという相談があって、父親が「自分の息子が独立するので、その仕事を手伝せたらどうですか」という流れです。
――学生からいきなり起業をして、どんな苦労がありましたか?
西原 20歳そこそこの若者が代表している会社って、信用力がないですよね。だから、最初の頃は父親が社長ですと言って、名刺の肩書きは営業としていましたね(笑)。
――そういうところからスタートしたんですね!3年目には飲食店のレシピを預かって製造するOEMの仕事に切り替えたそうですが、それはどういう経緯で?
西原 仕事をしているうちに、そういうニーズがありそうだな、儲かりそうだなというイメージが湧いたんですよね。それで、飲食店に飛び込みで営業して、「レシピ...
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