2022/09/14
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イマ、ココ、注目社長!
第264回
フードロス問題から誕生した「Kuradashi」。いまや食品企業が重宝する存在に。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 関藤 竜也氏 株式会社クラダシ 代表取締役社長
日本のフードロスは、年間約522万トンに及びます。この課題を解決するための事業として、急速に存在感を増しているのがソーシャルグッドマーケット 「Kuradashi(クラダシ) 」。賞味期限が迫った食品や季節商品、パッケージの汚れやキズなどが原因で通常の流通ルートでの販売が困難な商品を買い取り、「Kuradashi 」で販売しています。
2015年2月のサービス開始から7年半で、会員数は約35万人、取引先の企業数は990社、売り上げは約13億円に達しました。同社を立ち上げた株式会社クラダシ代表取締役社長の関藤竜也(せきとう・たつや)氏に、事業を発案した経緯などこれまでの歩みを尋ねました。前編は、社会貢献を意識するようになった少年時代から起業に至るまでの道のりを振り返ってもらいました。
(聞き手/川内イオ)
家族の影響で意識するようになった社会貢献
――関藤さんは、フードロス削減につながる「クラダシ」の事業について、ソーシャルグッドマーケット と表現されています。事業について伺う前に、「社会貢献」を意識するようになったきっかけを教えてください。
関藤 父親の影響が大きいですね。幼稚園に通っているころから、「いいか竜也、この世に生を受けたということは、いかにその命を社会に全うするかだ」と言われて育ちました。そのときは、ほぼ理解してませんでしたけど(笑)。
とても正義感が強くて、電車に乗ったら席が空いていても「立っておけ」と言われるんです。お年寄りや女性、子どもがちゃんと座れるように、席を譲るのではなく最初から座らない。つり革にもつかまらず、なんなら「そこでスクワットせい」と言うような人です(笑)。
――お父さんの教育方針だったんですね。
関藤 今も現存している出版社を立ち上げた祖父の影響もあります。週末に遊びに行ったとき、祖父はよくデスクに向かって勉強をしていたんですよ。祖父と話したとき、「学びの姿勢」を説かれたことを、今もおぼえています。
社会人3年目のときに祖父が 亡くなったんですが、社葬でたくさんの人が弔問に来ていました。その様子を見て、自分が70代のときはこんな感じでいたいなとか、80代のときはこうありたいなと考えるようになりました。
――過去のインタビューで、阪神大震災のとき、大学生の関藤さんが人助けをするためにとリュックを背負って家を出たというエピソードを拝見しました。お父さんやおじいさんの話を聞いて、その大胆な行動の理由がわかった気がします。
関藤 そうですね。倒れた阪神高速をテレビで見て...
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