2022/07/13
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イマ、ココ、注目社長!
第244回
デザインの力で、明日のクリエイターエコノミーをつくる。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- TieUps株式会社 CEO兼CDO (デザイン及びユーザー体験責任者) 小原 史啓氏
「もともとはオタクで、人と話すことが苦手だった」と語る、TieUps のCEO・小原史啓(おはら ふみひろ)氏。小原氏にとって、美大で学んだデザインはコミュニケーションのための手段だったそうです。そのデザインの力がキャリアの強みとなり、TieUps 創業の原動力となり、現在の基幹事業であるプロフィールサイト「lit.link(リットリンク)」を成功に導きました。35歳での起業を目指し、実現させた小原氏のキャリア戦略と、そこで学んだこと、いま描いている未来について伺いました。
(前編はこちら)
(聞き手/井上 和幸)
CEOがデザイナーだから、スピーディーに軌道修正できる
――TieUpsの設立から「lit.link」のリリースまで、どのぐらいかかったのでしょう?
小原 β版を公開したのが2020年12月10日ですから、半年ぐらいですね。
――それからわずか1年ほどでMAU(Monthly Active Users、月当たりアクティブユーザー数)1000万人を突破したと聞いています。すごいですよね。
小原 Webサービスの立ち上がりスピードとしては早いほうだと自負しています。
――勝因は何だと分析していますか?
小原 例えば、新規ユーザーを10人獲得したとして、そのうちの何人が次の新規ユーザーを連れてきてくれるかが鍵になります。ここをしっかり計測して増やしていけば、ユーザー数は指数関数的に伸びて、サービスは自動的に成長していく。そこの構造設計をきちんと考えたことが良かったんだと思います。
――とはいえ、なかなかそう上手くはいかないですよね。
小原 そこは、僕がCEOでありデザイナーでもあることが効いたのだと思います。実は、「lit.link」をリリースしたあとすぐに、修整するべき箇所が百単位で見付かったんです。ふつうなら、それを1つ1つ潰していくためにミーティングを重ね、デザイナーやエンジニアに指示を出して、地道に作業を繰り返していかなければならない。けれどもうちの場合、ミーティングは必要ありません。
――CEOが自分で潰してしまうわけですね。それはすごいな。
小原 修整箇所が何百あるとしても、20日もあればだいたいクリアできます。ふつうなら、たぶん半年はかかるところでしょう。経営とデザインの両方をやって分かったことは、プロフェッショナルなデザイナーの多くは、必ずしも経営方針やユーザーエクスペリエンスを考えてデザインして...
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