2022/07/08
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イマ、ココ、注目社長!
第243回
デザインの力で、明日のクリエイターエコノミーをつくる。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 小原 史啓氏 TieUps株式会社 CEO兼CDO (デザイン及びユーザー体験責任者)
「もともとはオタクで、人と話すことが苦手だった」と語る、TieUps のCEO・小原史啓(おはら ふみひろ)氏。小原氏にとって、美大で学んだデザインはコミュニケーションのための手段だったそうです。そのデザインの力がキャリアの強みとなり、TieUps 創業の原動力となり、現在の基幹事業であるプロフィールサイト「lit.link(リットリンク)」を成功に導きました。35歳での起業を目指し、実現させた小原氏のキャリア戦略と、そこで学んだこと、いま描いている未来について伺いました。
(聞き手/井上 和幸)
美大で学んだデザインの力が、販売力につながった
―― 小原さんの経歴は、とてもユニークに思えます。美大を出て家電量販店のノジマに就職、そこからネットリサーチのマクロミルに転職なさって、次はIT系スタートアップに第1号社員として入社されている。改めて、TieUps 創業までの道のりをお伺いできますか。
小原 実は美大卒業後、最初は広告代理店にデザイナーとして就職したんです。
――商業デザインを志したわけですね。
小原 はい。ところが、事情があって半年ほどで退職せざるを得なくなりました。そこで、当面のアルバイトのつもりでノジマに入ったんです。携帯電話などを扱う部門で、店頭の販売スタッフをやっていました。そこで、思いのほか売り上げを伸ばしてしまいまして(笑)。しばらく販売の道を突き進むことになりました。
――そういうことだったんですか。ノジマで業績を上げた秘訣はなんだったんでしょう。
小原 それが、デザインなんです。広告代理店でチラシなど、印刷物のデザインを経験したおかげで、POP広告や販促物を自分でつくれることが、大きな強みになりました。携帯電話の販売は仕組みが複雑で、料金プランは毎週のように変更されます。本部から送られてくる販促物を待っていては、対応が遅くなってしまう。僕の場合、それを自分でつくってしまえるので、スピードが速かったんですね。それで結果が出せたんだと思います。
――本部で用意した販促物を使えとは言われませんでしたか?
小原 ノジマは、現場に大きな裁量権を与えてくれる会社でした。社長の野島さんはいつも「出る杭を伸ばせ」と言っていましたね。そのおかげで、21歳でマネジャーに就任することになりました。
――素晴らしいですね。ノジマでは最終的に、50店舗を任されたと伺っています。
小原 25歳ぐらいのときに、ノジマの通信専門...
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