[閉じる]
TOP KEIEISHA TERRACEセミナー  ナレッジライブラリー 【トークライブ】御社の価値や伝統を磨き直し、次の世代につないでいく ~令和の事業承継について語り合おう~ (vol.2)

2021/12/17

1/2ページ

KEIEISHA TERRACEセミナー  ナレッジライブラリー

第27回

【トークライブ】御社の価値や伝統を磨き直し、次の世代につないでいく ~令和の事業承継について語り合おう~ (vol.2)

  • 組織
  • マネジメント

60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >>

 

 

2021年9月21日(火)、オンライントークライブ「御社の価値や伝統を磨き直し、次の世代につないでいく~令和の事業承継について語り合おう~」が開催されました。
日本企業全体のこれからの重要課題であり、メディアでも多く取り上げられている事業承継問題。後継者をどう見つけるのか? なくなってはほしくない企業やお店をどうすれば存続できるかなどを考えるセッションです。矢島 里佳氏(株式会社和える 代表取締役)と井上 和幸(弊社代表取締役社長・CEO)の2人が、フランクに語り合いました。
対談を編集し、3回にわたってお届けします。

(vol.1はこちら)

井上 和えるさんの活動を見ると、ご相談があるのは、伝統的なものを作っていらっしゃる会社さんが多いのかなと思っていました。しかし、お話をお伺いすると、そこに留まってはいらっしゃらない?

 

矢島 はい。なぜ、和えるが、リブランディング事業をしているのかというと、もちろん伝統産業界の事業承継の課題が大きいことから始まっていますが、地域の伝統をつなぐためには、地域に魅力的な企業が存在し、若者がワクワク働ける環境を生み出すことが大切だと考えています。ただ稼げば良いではなく、美しく稼ぐ。経済一辺倒ではなくて、文化や心の豊かさを考える企業さんが増えてくれると嬉しい。リブランディング事業を通してそのお手伝いさせていただくことで、仲間の企業を増やしている感覚です。

 

井上 僕は、リクルートからビジネスをスタートし、主に採用や広報の側面から企業と人との良い結びつきや関係性について常に考え、どうそれを成立させるかということに関わってきました。その経験から、存在している会社には存在価値が絶対にあると考えています。もちろん、皆さんにもある。特徴を出すような、コアになっているものは、企業にも個人にもある。採用は企業と個人の明確化との擦り合わせです。
僕らは、そのお互いの価値観が合うことが、ハッピー度合いが高いと考えています。本質的価値の明確化は、ずっと言ってきていて、弊社でも事業の1つの側面として取り組み、提供しています。

 

会社が今後、良くなっていき、良い商品やサービスを提供してくださる。原点や想いから派生される会社の独自性、会社ごとにいろんなものを届けてくださる、それが存在価値。それを明確にすることが、企業の強みになると思います。そこに共鳴していただける方が集まるのが、ヒト・組織側面から見ても、いちばん望ましいことだと思います。

 

矢島 まさにそこだと思います。事業承継したあとの経営者さんが抱える悩みの1つが、自分なりの新しく進めていく方向性に関して、理想の人材をどう採用するかです。
そのためにも、原点をしっかりと見直して、何のために存在する企業で、どうようにして社会に役に立っているのかを明確化しないといけない。
どの企業さんも2、30代の若手の優秀な人材は、なかなか来てもらえない。ただ、しっかりと本質を見出し、若い世代に共感していただけるメッセージ、つまり際立つ発信ができるようになると、どのような地域でも人がやってくると思います。
企業の原点を見出さないと、人材が集められず、選べない。会社自体のリブランディングが、そのまま採用にもつながっていると感じます。

 

井上 僕もそういうことを体感し続けてきています。企業規模や業態にもよって人材の必要度合いには差があります。でも、自社に望ましい人材がどのように集まるかという構図については、基本は一緒です。
あと、広報的な側面としても、矢島さんのおっしゃる通りです。採用も広報的な観点はありますが、純粋な事業を推進するためや、営業を推進するための広報という観点で言っても、強いメッセージからでしか展開されないと僕も思います。

 

矢島 PRは、企業が大事にしていることを伝えていく重要な場です。そこにも経営者は自信を持つ。しかも、言葉を吟味してぎゅっと一言で伝えることが大切です。たくさんの情報は伝えられないと思います。

 

井上 そうですよね。

 

矢島 私たちがリブランディングさせていただく上で、いつも意識しているのは、壁打ち相手であり続けるということ。私たちが「こうした方が良いですよ」とは言わないようにしているのが、和えるのリブランディングの特徴だと思っています。

 

井上 コーチング型ですね。

 

矢島 そうです。経営者の方の奥の奥の奥にある、まだ顕在化されていない潜在的な言葉や思想、哲学を、壁打ち相手になりながら引き出させていただくことを大事にしています。
リブランディングを終えた企業の経営者さんからいただく言葉で最も多いのが、「自分のやりたいことを説明しやすくなりました」ということです。

 

井上 それは素晴らしいですね。本質を明確にするのは大変だと思います。それをさらに言葉にして、何かのフレーズにして、いろんな方にコミュニケートする。言うのは簡単ですが、抽出するのはなかなか大変だと思います。それを和えるさんがやってくださる。助かる人は多いと思います。

 

矢島 「こういうことをおっしゃっているんですよね」と、読み解くことで、「そう、それなんです!」と言っていただける。自分が言いたかった想いはそういう言葉で表せるんだ、そう表すと知らない人にも伝わりやすいんだ、ということを掴んでいただける。私たちは「伝える職人」でありたいと思っています。和えるは、伝わる言葉に変化させていくお手伝いが得意だと思います。
私たちは敢えて、「コンサルタントではない」といつも言っています。何かを教えるとか、「こうした方が良い」とか、「売り上げを伸ばすにはこうだ」ではなくて、ほしい未来に向けて適切に導いていくことを大切しています。
結果として売り上げが伸びていくであろうことを目指してはいますが、最初からそこを目的としてしまうと、会社の原点は見えなくなるのです。

 

井上 先ほど矢島さんもお話してくださいましたが、元々の出発点、何かのタイミングポイントかもしれないけれど、会社や、事業、商品、サービスが持っている、「こういうことを提供したいんだ」とか、「こういうことを求められたのでやっています」とか、そういうことは、会社が存在している限り、絶対にあると思います。

 

もちろん、事業や経営は、ちゃんと成り立たせていかなければいけない。社員のためにも会社の存続のためにも。でも、だからと言って通常の活動の繰り返しの中で、原点を忘れられてしまうことは、良くない。でも、忘れてしまうことが多いと、僕らから見ていても感じます。

 

矢島 経営者さんは左脳が強い方が多いように思います。ですので、右脳を活性化できるように働きかけて、抽象度の高いところから1度、自社を見直してみるお手伝いをしています。
右脳を活性化させる。右脳と左脳を上手く行き来できるように、リブランディングのなかの壁打ちで、経営者さんが頭を両方に振れるようになっていくというのも、和えるの特徴かと思います。

 

井上 右脳を活性化させるとき、どういうことをやるのですか?

 

矢島 いつも必ず、最初のセッションでお聞きするのが、「ご自身の会社を1人の人間だと擬人化したとき、どんな子ですか?」とお聞きします。

 

井上 「KEIEISYA TERRACE」の特集でそのお話を聞いて、「すごくいい問いだな」と思いました。ご相談いただいた方にもお話するわけですね。

 

矢島 私自身、会社を自分の息子だと思って創業しております。人間以外に人格を有するのは、法人格のみであると日本の法律にあります。「法人格って法の下の人格なのだ」と、創業時に思ったのです。
創業者は、お父さん、もしくはお母さん。生まれてきた会社は1人の赤ちゃん、子ども。
会社=子ども、経営者=親と捉えると、会社を右脳で捉えられる。
それと経営という部分では数値で成り立たせていく論理性を、私自身、創業から10年ずっと行き来し続けてきています。愛される子に育んでいくには、右脳の部分がないと、可愛がりにくいと考えています。

 

井上 確かにそうですよね。「売り上げがいくらで」とだけ語られるのは、「うちの子の身長は何センチで、体重は何キロです」と言われているようなものですよね。

 

矢島 まさに、そうなのです。「和えるくんって、何で生まれたの?」「うちの子ね、日本の伝統を次世代につなぐために生まれたんですよ。できれば三方良し以上で、文化と経済を両輪で育めるような子に育てていきたいと思っているんです」というような感じです。

 

井上 「今はこんな子なんですけど」のような感じで。「でも、こんな子に数年後にはなってほしいな」と。

 

矢島 そうすると未来を考えやすくなりますね。経営者の方は、どうしても目の前の現実を見がちだと思うのです。すると、哲学からズレてしまうことがあります。未来を生み出していく、クリエイティブな部分の志向性が弱くなってしまう。
事業承継した、初期のタイミングで、思いっ切り出していただくことが、後々ぶれない、強い会社になっていくためには大事なことだと思います。

 

井上 子どもに例えているのは意味がなく言っているわけではなく、矢島さんがおっしゃってくださったような、アナロジーが効くからこそ、そうされているのだと思います。
会社は育っていくし、反抗期もあるかもしれない。歳を取っていくこともある。

 

矢島 そうです。いつまでも自分がこの子を見続けられないと考えると、問題も捉えやすくなると思います。可愛い我が子に長く生きてもらうには、次のお父さんお母さんを真剣に、早めに探すことは大事だなと。

1

2

こちらはプラチナメンバー限定記事です。
プラチナメンバー登録(年間11,000円or月間1,100円)を
していただくと続きをお読みいただけます。

※登録後30日間無料体験実施中!

プロフィール

  • 矢島 里佳氏

    矢島 里佳氏

    株式会社和える 代表取締役

    1988 年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア 研究科修了。職人と伝統の魅力に惹かれ、19 歳の頃から全国を回り始め、大学時代に 日本の伝統文化・産業の情報発信の仕事を始める。「日本の伝統を次世代につなぎたい」 という想いから、大学 4 年時である 2011 年 3 月、株式会社和える創業。2012 年 3 月、 幼少期から職人の手仕事に触れられる環境を創出すべく、“0 歳からの伝統ブランド aeru”を立ち上げ、日本全国の職人と共にオリジナル商品を生み出し、オンライン直営 店から始まる。2014 年には事業拠点となる東京「aeru meguro」、2015 年京都「aeru gojo」 をオープン。「ガイアの夜明け」(テレビ東京)にて特集される。 その他、日本の伝統や先人の智慧を、暮らしの中で活かしながら次世代につなぐために 様々な事業を展開中。 世界経済フォーラム(ダボス会議)「World Economic Forum - Global Shapers Community」メンバー。2015 年 第 4 回 日本政策投資銀行(DBJ)「女性新ビジ ネスプランコンペティション」にて、女性起業大賞受賞。2017 年 第 2 回 APEC「APEC BEST AWARD」にて、APEC best award 大賞、Best social impact 賞をダブル受賞。京都 市文化芸術産業観光表彰「きらめき大賞」を受賞。 著書『和える-aeru- 伝統産業を子どもにつなぐ 25 歳女性起業家』(早川書房)、『やり がいから考える 自分らしい働き方』(キノブックス)その他 3 冊あり。 和える WEB:http://a-eru.co.jp オンライン直営店:https://shop.a-eru.co.jp 東京「aeru meguro」: https://a-eru.co.jp/meguro 京都「aeru gojo」: https://a-eru.co.jp/gojo

    この登場者の記事一覧をみる
  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

    この登場者の記事一覧をみる