2021/08/26
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第113回
FREE FLAT FUNな生き方へ
- キャリア
- ビジネススキル
- 伊藤 羊一氏 武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部学部長 Musashino Valley代表 LINEヤフーアカデミア学長 Voicyパーソナリティ
問題は、選択肢が増えることが私たち一人一人にとってハッピーかアンハッピーか、ということだ。もちろん多くの人にとって、選択肢が増えることはハッピーだ。しかし、「さまざまな選択肢から自分で自分がとるべき道を選択することができない」一部の人にとっては、選択肢が増えることはアンハッピーになる。実はそういう人も多いかなと思う。
私が社会人として働き始めた90年代前半、ちまたでは「カジュアルフライデー」といって金曜日は自由な服装ができる取り組みが流行した。そこでみんな喜ぶかと思いきや、案外、多くの会社員が「背広を着ていれば楽だったのに、自分で服を選ばなければならないのは憂鬱(ゆううつ)だ」と言っていた。選択肢が多いことは時に人を不幸にするのだ。
つまり、選択肢が増えたときに、どうするか自分で選べる人はFUN(ハッピー)だし、そうでない人はFUNではない、ということだ。だから求められるのは、「自分で自分のとるべき道を選択する」つまり、自分で自分をリードしていく=Lead the Selfが、FREE、FLATな社会では求められる(FUNになる)のだ。
この3つが私たち一人一人が未来に向けて生きていくうえで、必要なスタンスだと私は考えている。すなわち、FREE=常識にとらわれず、FLAT=みんな違ってみんないい世界で、FUN=自分で自分をリードする(Lead the Self)、ということだ。
そしてそれは個人の生き方のみならず、これからの社会においても求められるものだと考える。さまざまなことについてこれまでの常識にとらわれずに何がベストかをみんなでFREEに考えながら、全ての人々が、お互いの個性を大事にしてリスペクトし合い(FLAT)、一人一人が笑顔(FUN)になる社会。そういう社会でありたくはないだろうか。私はそういう社会に住みたい。
だから私は、個人の生き様としてFREE FLAT FUNを掲げるし、社会のあるべき姿としてのFREE FLAT FUNを目指していこうと考え、それをタイトルにした本を書いた。まだまだ社会はFREEでもなく、FLATもまだら模様で、FUNな人もいれば憂鬱な人もいる。私はこの社会に生きる人、一人一人が常識にとらわれず自分の思いに従い、お互いがお互いをリスペクトする社会をどうしても作りたい。そのために私は行動するし、これからも社会に対し働きかけをしていきたいと考えている。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >
■書籍情報
FREE, FLAT, FUN これからの僕たちに必要なマインド 単行本
著者:伊藤 羊一
出版社:KADOKAWA
価格:1,650円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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