2021/08/12
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第111回
成功する人のすごいリアクション
- キャリア
- ビジネススキル
- 中谷 彰宏氏 作家
いわゆる能力とは、限られたジャンルの何かができることです。仕事に関係ない、非効率なことを何かしていることで、相手の印象に残ります。「ヘンなこと知ってるね」ということが相手とバチッとつながった時に、場外ホームランになる可能性があるのです。
本音は、0.9秒で出る。1秒後からは、タテマエ
相手に共感していると、リアクションは勝手に出るものです。「リアクションしなければいけない」という時点で、よけいなことを頭の中で考え始めます。「どこでリアクションを出そうか」と思っていると、究極は、相手の話をひとつも聞かなくなります。すると、聞いていないからリアクションがとれないという当たり前の現象が起こります。本人は「聞いています」と言っても、相手を見ていないのです。リアクションで一番大切なのは、相手を見ることです。「ごはんを食べにいこう」と誘った時の0.9秒までの表情で決まるからです。その最初に出る相手の表情は、大脳の深いところで反応しているので、本能の感情です。
感情は0.9秒以内に出ます。その後、理性で「でも、ここで感じ悪くなったらいけないからこういうふうにしなければいけないな」と、社交辞令を言うのが1秒後から始まります。
1秒後を見ても、相手がどう感じているかは分かりません。0.9秒までは相手の本音が出ています。
「あ、残念、今日は予定が入っていた」と言われた時に一番見なければいけないところは、「うれしい」という表情が出ているかどうかです。リアクションは、自分がすることだけでなく、相手のすることも見る必要があります。
相手のリアクションを正しく把握しないと、自分の次のリアクションを間違えます。リアクションを間違える人は、相手のリアクションを取り間違えています。それは相手を見ていないからです。
相手を見ることが怖いのです。相手を見ることは、自分も見られるということです。そこで距離をとりたいと思っていると、相手を見ることができません。そうすると、相手の0.9秒までの本当の気持ちが分からず、共感性が生まれません。その結果、「あなたは人の気持ちが分からないよね」と言われ、ますます怖くなって相手を見られないという負のスパイラルに入ります。
リアクションで相手の本音に気付くためには、自分が話している時に相手から目をそらさないことです。ずっと見ていなくてもいいですが、自分が何か言った後の0.9秒までの相手の表情は見ていないとダメです。
1秒後は、タテマエなので見なくてもいいです。目をそらして相手を見られないタイプの人は、リアクションがヘタです。チャンスをつかめない人は、「あなたは人の気持ちが分からない」と言われてしまうのです。
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■書籍情報
成功する人のすごいリアクション 単行本
著者:中谷 彰宏
出版社:河出書房新社
価格:1,452円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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