TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則とは?

2021/08/05

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第110回

売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則とは?

  • キャリア
  • ビジネススキル

price(価格)→ philosophy(哲学・理念)

消費者は単なる安さ(price)だけを求めてはいません。多くの事業者が低価格ばかりを訴求し、ほかの選択肢を提示しないから価格で選ばざるを得ないだけです。商品の中に哲学や理念(philosophy)を感じられれば価格は二の次になります。

place(立地・流通)→ promise(約束・絆)

ビジネスはこれまで有望な立地・流通(place)を求めて立地を変え、流通を構築してきましたが、いまや私たちはスマホ一つで買い物ができます。それなのに、どんなに辺ぴな立地にあろうと来店客でにぎわう繁盛店があります。お客さまはそこに、そこでしか手に入れられない約束や絆(promise)を求め、わざわざ訪れてくるのです。

promotion(宣伝)→personality(個性・人柄)

IT技術の発達により、私たちは多量の宣伝(promotion)という洪水に飲み込まれています。溺れそうなあなたに手を差し伸べてくれるのは、信頼のおける人からの血の通った情報です。個性・人柄(personality)は、あなたが信頼のおける対象となるために欠かせない条件です。

大きさは強さではなく、小ささは弱さでもない

そんなことを、なぜ私があなたに伝えられるのでしょうか?

 

私はこれまで商業経営専門誌の記者・編集者として、四半世紀以上にわたって商業やビジネスを見続けてきました。日本を代表する大企業の経営者から小さなまちの小さな店の従業員まで、取材した事業者、店は4000を超えます。

 

そこでは、従来のマーケティング理論の常識を超えた“奇跡”にたびたび出会ってきました。そして、そこには四つの共通点があることに気づいたのです。それが前述の「新しい4P」です。

 

人口増加、経済拡大を前提とした成功法則はもはや過去のものです。その事実にうすうす気づいていた矢先、新型コロナウイルス感染症が私たちを襲いました。

 

消費意識や生活様式は一変し、もう今までのルール上でいくら頑張っても明るい未来にはたどり着けません。いえ、頑張れば頑張るほど、当人ばかりか関わる人たちが不幸になります。

 

これまで、企業規模の大きさは強さの証明でした。しかし、人類史に刻まれる激変期にあって、単に大きいだけでは、それは強さではなくなりました。メキシコのユカタン半島に落ちた隕石が恐竜の時代を終わらせ、小さく弱いけれども変化に対応できた哺乳類が生き残ったのと、同じ時代局面を現代の経営者も迎えています。

 

こうした激動のビジネス環境を正しく捉え、成功へとたどりつく羅針盤こそ「新しい4P」なのです。そして答えは、業界や競合企業を探しても見つかりません。正解は、お客さまに向き合うあなた自身の中にあるのです。

 

考えてみてください。心から一人の人を喜ばせることがどんなに難しいかを。ところがあなたは、一人一人のお客さまにそんな喜びの仕事を、これまで毎日繰り返してきたのです。あなたには、お客さまに心から「ありがとう」と言われるビジネスができるはずです。そのときあなたは、目覚めよい快適な朝を迎えられるでしょう。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >

 

 

■書籍情報

売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則 -「ありがとう」があふれる20の店の実践- (DOBOOKS) 単行本(ソフトカバー) 
著者:笹井 清範
出版社:同文舘出版
価格:1,760円(税込)

 

この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。

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プロフィール

  • 笹井 清範氏

    笹井 清範氏

    株式会社商業界 教育企画部

    株式会社商業界入社後、月刊誌「商業界」編集部員として現場へ赴き、2007年より編集長。
    取材対象は中小独立店から大手チェーンストア、小売業、飲食業、サービス業、卸売業と幅広い。
    2018年より、商人の道場「商業界ゼミナール」の活性化に取り組む。
    担当した近著『こうして店は潰れた』も、大きな反響を呼んでいる。

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