2021/08/31
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CxOの羅針盤
第9回
今はまだベンチャー企業が戯言言ってるレベルでしかない。だから資本主義のなかで負け組になっちゃいけない【前編】
- リーダーシップ
- マネジメント
- キャリア
- 組織
- 山田 理氏 サイボウズ株式会社 副社長兼組織戦略室長
グループウェアの開発、販売、運用、並びに、チームワーク強化メソッドの開発、販売、提供を行うサイボウズ。1997年に設立するや、瞬く間に成長を遂げた。創業3年後の成長期といえる時期から、現代表取締役社長である青野慶久氏を片腕として支えてきたのが、副社長の山田理氏だ。サイボウズの組織作りを山田氏に伺った。
(聞き手/井上 和幸)
0から立ち上げるか、10人の会社に入るか。10人でも既にある会社に入った方がリスクは低い
井上 個人的には山田さんの中学時代、野球の練習試合で桑田真澄さんからヒットを打った話を聞きたいですね。僕も同世代なので(笑)。
山田 そこから話したら大変なことになりますよ(笑)。
井上 では、社会人になるあたりから(笑)。学生(大阪外国語大学)の頃、どんなふうに働きたいと思っていらっしゃったのですか?
山田 あんま深く考えてなかったんですよ。当時の座右の銘は「長いものに巻かれろ」(笑)。
留学したり世界一周したりしていたのもあって、「海外で働きたい」みたいなことは考えていましたね。
あと、サラリーマンに対するなんとなく、反発というか、「できたら、そういうのには、あまりなりたくない」みたいな。サラリーマンにいいイメージがなかったです。
商社や銀行の面接に行って、「御社に入って独立する人はいますか?僕は独立したいんです!」とずっと言ってました。今考えたら「馬鹿か!」ですよ。相手にすれば「お前、どこの会社に向かって言っとんねん!」という感じ(笑)。
井上 それでも日本興業銀行に入行されている。逆にそんなふうにはっきりおっしゃっていたところが「買い」だったんじゃないですか。
山田 あっはっは。分かんない(笑)。
井上 僕は、ほぼ同じような時代にリクルート入社しましたが、同じような感じでした。「縛られるのはいやだな」と思っていました。
山田 「縛られるのは嫌だ」と言いながらも日本興業銀行に入行している。「長いものに巻かれろ」なんです(笑)。
井上 いやいやいや。社会性がなきゃダメだとは思いますよ(笑)。型にハマって、言われたことだけやっているような人は、企業は求めていなかったりしますからね。その点、興銀に入られてどうだったんですか?
山田 残念な銀行マンでしたよ。今から考えたら上司は懐が深くて偉いなと思います。僕だったら3秒でキレてる。それくらい駄目な銀行員でした(笑)。
僕は正直、銀行に凄く入りたかったわけでもないし、経済の勉強をしていたわけでもない。専攻していたのはペルシャ語ですからね。しか...
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