2021/08/10
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イマ、ココ、注目社長!
第162回
けれど、それ楽しいの?というのが一番大事な問いである。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 橋本 大佑氏 株式会社Melon 代表取締役CEO
いま、忙しいビジネスマンの間で話題になっているのが、「マインドフルネス」。これは、過去や未来を漂う心を「いま、ここ」に導き、意識を向け続けるメソッドです。継続することにより、脳疲労の解消やストレスの軽減、心の安定、睡眠の質の向上など、さまざまな効果があり、これは科学的に証明されているといいます。
マインドフルネスを実践し、広く伝えようとしているのが、株式会社Melon 代表取締役 橋本 大佑氏。外資の証券会社で活躍していた橋本氏はなぜ、マインドフルネスに辿り着いたのでしょうか?
(前編はこちら)
(聞き手/井上和幸)
いまの瞬間に見えること、得られるものを計算して、動いていく
──マインドフルネスを事業として、いろんな方に提供しようと思われたのは、どういうタイミングだったんでしょうか?
橋本 会社もそろそろどん詰まりというか、この先、出世する感じでもない。チャレンジしないといけない37歳でしたが、40歳が見えてきて、動かないともう後戻りできないというフェーズです。
でも、そこにまず、嫁ブロックが入りました。
──そうなんですか。
橋本 実は、リーマンショックの後に1回、起業しようとしたことがありました。そのとき、子どもが生まれたばっかりだったので「そんなことするんだったら別れる」と言われました。まあ、半分冗談だと思いますが。
でも、今回は「本当にマジだ」と。「貯金もあって、数年は食える。だから、ちょっとやらせてちょうだい」と。「本当にどうにもならなかったら、サラリーマンに戻る。いくらでも仕事はあるから」。
私は、「明日の心配をするよりも、明日、死ねるように生きなきゃいけない」という、スティーブ・ジョブズのスピーチが、ずっと引っかかってたんです。「後悔しないように、やりたいことを、生きてる間にやりたいな」と思って、会社を辞めて立ち上げました。そのときのツールが、いままでの伏線的に全部揃っていたので、「もう、これでやろう」と決めて、創業したということです。
──お父様の反対はなかったのですか?
橋本 それがですね、まったくなかったんですよ。「ああ、そうなんだ。じゃあ、頑張って」みたいな。私からしたら「なんなんだよ」という感じ。「反対してたじゃん」みたいな(笑)。
たぶん、外資でやっていたことを認めてくれていたんだと思います。まあ、どうにかなるんじゃないかというのと、いい大人というか、自分で判断する歳なので、親でも反対する立場ではない、ということだったと思います。
──金融の世界で活躍されてこられた。ビジネス...
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