2021/06/30
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イマ、ココ、注目社長!
第152回
「できる、できない」ではなく、「どうやったらできるか」を考え抜く。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 古賀 大貴氏 Oishii Farm 代表
Oishii Farmはアメリカを拠点に、ニューヨーク発の植物工場を展開しているスタートアップである。品質管理が難しく、扱いにくいとされていた「苺」を安定供給する。しかも、季節に限定されることなく1年中出荷が可能という画期的なビジネスモデルだ。
Oishii FarmのOishiiは、もちろん、日本語の「おいしい」。生産する苺は、「おいしい苺」と評価は高く、アメリカの高級レストランで引っ張りだことなっている。
世界に日本の農業を広めることをミッションとするCo-Founder & CEOの古賀大貴氏に話をうかがった。
(聞き手/井上和幸)
植物工場に未来があると確信を持っていた
──古賀さんは少年時代を海外で過ごされたそうですね。
古賀 小学校のとき、しばらく海外で暮らしていました。中高大は日本です。外国で生活したことが日本人としてのアイデンティティ形成に影響していると感じます。「日本と海外をつなぐようなことをしたい」ということは、頭の中に漠然とありました。「日本にはすごいものがある」ということは幼いながら感じていました。
──学生時代(慶應義塾大学)から起業しようと考えていたのですか?
古賀 学生時代は、周りに起業している友達は多く、「すごいな~」と横目で見ていました。
でも、私自身は「起業ってどうやってするんだろう?」というレベルで、若干の憧れはあったものの、起業するという考えはまったくありませんでした。
──2009年に卒業されて、コンサルティングファームに入社されている。最初はコンサルになりたかった?
古賀 経済学部だったのですが、何がしたいのかがよくわからないまま大学時代の4年間を過ごしました。パッションさえ見つければ、死に物狂いでやる自信はあったのですが、そのパッションが掴めない。
いろんな先輩から「コンサルティングはいろんな業界を知れる」と聞いていたので、「そこで働いていればパッションが見つかるかもしれない」と思ったのが入社動機です。なので、「コンサルとして偉くなりたい」というモチベーションは一切、ありませんでした。
──なるほど。そこで、どうして農業分野に興味を持たれたのでしょうか?
古賀 コンサルティングファームでは6年間働き、金融や製薬、消費財、自動車、保険とさまざまな産業を見てきましたが、「これ!」と思える産業に巡り合えていませんでした。
実は、農業に関しては、もともと興味があったんです。農業は巨大産...
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