2021/06/25
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イマ、ココ、注目社長!
第151回
「記憶」を日常に。誰でも当たり前に記憶できる世界を目指して。【後編】
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モノグサ株式会社は、人間の「記憶」に焦点を当てたビジネスを展開している。教育領域に取り組んでいるベンチャーは多いが、「Monoxer」はそれらEdTechとは一線を画く、唯一無二のサービスだという。
なぜなら、従来の教育は、教材を提供するだけ。「覚えること」は本人の努力であって、誰かがサポートする、という概念がなかった。モノグサが目指すのは全世界の教育格差をなくすこと。CEOの竹内孝太朗氏とCTOの畔柳圭佑氏に話をうかがった。
(聞き手/井上和幸)
一緒に進む船であり続けたい。
――スタートはお二人で?
竹内 完全に二人です。
まず、2017年1月に畔柳が先にGoogleを辞めました。次に私が2017年8月30日に退職しました。畔柳が「まだ売るタイミングじゃないから辞めるのは遅くてもいい」と言ったので、「じゃ、そうする」と言って決めました。リリースしたのは11月です。
リリースした段階で、日本には様々な検定があるので、検定を主宰している企業や団体、100社くらいにアプローチしました。
笑い話ですが、私は「ポケモン言えるかな?」世代です。ポケットモンスターはキャラクターが多くいるので、「モノグサを使わないと覚えられないだろう」と考えました。ポケモンさんに熱いメールを送り、アポを取って話に行ったのですが、「覚えることを目的とはしていません」と言われ「それはそうか」となったりもしました(笑)。
──ポケモンは残念でしたね。フジテレビの「99人の壁」に出る人は、絶対に欲しがる気がします(笑)。
竹内 それから、「記憶」は生徒だけでなく、それを管理する人もいる、ということに気づきました。管理人、つまり先生のような存在にアプローチすることを考えました。
私としては、本当に使ってもらえるところに売りたいと考えたので、BtoC向けの学習アプリが出来た段階で、管理者機能を作ってもらい、それを営業することを考えました。
──それで事業が動き出すステップになった?
竹内 そうです。現段階での売り上げのほとんどはそこです。管理者機能を実装したのは2018年3月です。
──最初に手応えを感じたのはどのようなことですか?
竹内 「Monoxer」はとても特殊な商品です。誰も「記憶すること」に対してお金を払う認識がないからです。
たとえば、単語帳を売る場合、「使うと楽になる」とか、「効率が上がる」とセールスをします。でも、覚えることに対しては誰もお金を払う意味を見出さな...
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