2021/04/08
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第103回
ブレイクセルフ 自分を変える思考法
- キャリア
- ビジネススキル
- 伊藤 羊一氏 武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部学部長 Musashino Valley代表 LINEヤフーアカデミア学長 Voicyパーソナリティ
焦ってお願いしたり、無理やり結果を残そうとしても、成果は出ないし、例え多少成果につながったとしても長続きしない。種をまき、水をやり続ける姿勢が大事だ。
(3)Connecting the Dots
これは、Apple創業者のSteve Jobsがスタンフォード大の卒業式の祝辞で言った言葉だ。全ての経験のDot(点)は、後からConnectする(つながる)。そしてそれは前もって予測することはできず、後から分かることだ、と彼は言った。僕は、自分のキャリアでこれを実感した。銀行員から、プラスというメーカー/流通の会社で働き、インターネットサービスの会社であるヤフーに転職した。所属する会社は全然違う業界だ。そして仕事も、銀行員時代には営業や事業再生、プラス時代は物流、マーケティング、新規事業開発、経営を経験し、ヤフーでは企業内大学の責任者として、リーダー開発を行っている。つまり仕事もバラバラだ。
さまざまな会社でいろいろな仕事をしてきたが、これが今、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)で、起業家精神を育む学部をゼロから立ち上げ4月に開設できたことに、全てがつながった。この学部を立ち上げ、起業家精神を育んでいくためには、自らの経験が全て役立つ。まさにConnecting the dotsだ。
Jobsが言った通り、これをあらかじめ予測することはできない。後からつながっていたと知る。そのためには、「きっとつながる」と信じて、やり続けるしかない。
(4)Follow Your Heart
ここからは、「自分を変えていくプロセス」だ。Give&Listen、Seed & Waterのプロセスを経て、少しずつConnecting the Dotsしていくと、成果が出てくる。成果が出てくると、仕事のステージが上がる。どういう方向に自分を導いていったらいいか、迷うことも出てくる。何が正しいか、どうしたら成功するか、分からなくなることがある。そんな時、あなたはどうやって動くだろうか。確かに、まわりの意見には耳を傾けるべきだ。そして分析はしっかりとするべきだ。だが、そうすることによって答えが出てくるわけではない。そもそも、仕事に「正解」なんてない。
ではどうするか。
自分で決めるのである。自分で決めて、進んでいくわけだから、Follow Your Heart、最後は自分の心の声に従う。
自分で決めればいい。だがそれがなかなかできない。だから、意思を持って「自分で決める」ことを繰り返していく。身も蓋もないが、自分の声に従えるようになるためには、自分の声に従って決める「経験を積み重ねる」しかないのである。
(5)Dive
最後は、自分を信じて飛び込むこと。1)から4)のプロセスを積み重ねていたら、あとは、「飛び込む」、ダイブするだけだ。ここまでできてきた人は、「飛び込む」意味は理解しているはずだ。自分を信じて、勇気を持って、飛び込もう。このプロセスを経る中で、最終的に僕は、僕の思いに従って、僕の思いを仕事の中で表現し、実現することができるようになってきた。悶々としているあなたも、きっと変われる。そして、仕事で自分を表現できるようになると、本当に人生が豊かになる。
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■書籍情報
ブレイクセルフ~自分を変える思考法 職場で、人前で自分を出せない人のための (日本語) 単行本
著者:伊藤 羊一
出版社: 世界文化社
価格:1,540円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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