TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 短時間で確実に成果を出せる、トップセールスの営業手法とは

2021/03/11

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第101回

短時間で確実に成果を出せる、トップセールスの営業手法とは

  • キャリア
  • ビジネススキル
では、オンラインの商談に誘導するための「コールド・メール」には、「サービスのサンプルが分かるURL」「具体的なメリット」「オンラインへの誘導」が記載されています。

 
ニーズを生み出す」ヒアリング力を身につける

御用聞きでは、営業は務まりません。訪問でも、オンラインでも商談成功の鍵はヒアリングです。営業現場では「ニーズがなかった」といった言葉が飛び交います。
 
でも、それでは不十分で、その半歩先に「チャンス」があるのです。ここをとらえないと、御用聞きになってしまします。「ニーズ」はあるのではなく、「ニーズ」は作るもの、そう考えてください。
 
景況に左右されず、業績を確実に出す、営業マンがやっている「ヒアリングの4ステップ」を覚えておくといいでしょう。4つの各ステップにおけるポイントを整理しましょう。 Step1:状況を知るステップ
 
お客さまの状況を伺うステップ。
 
●答えやすい質問からすること。将来のことより「過去または現在」の状況を聞くほうが答えやすい。
●聞く内容は、「購入・利用状況」「他社サービス利用の有無」「その会社のサービスを選んだ判断基準」「利用してみての評価」「今後の予定」「検討いただく余地の有無」など。
●「今は用事がない」と言われても、ここで、対抗トークを展開しないこと。ひたすら聞くのみ。「4つのステップ」を聞き終わるまでは言わない。
 
Step2:問題を知るステップ
 
お客さまのお困り事を教えてもらうステップ。“分かっていても、分からないスタンス”で教えてもらうスタンスでヒアリングにのぞむ。「差し支えなければ、教えていただいても、よろしいでしょうか?」など、の切り口でStep2のヒアリングに入ります。
 
状況を聞いた際、ニーズがなかったとしても、「もっと、こうなったらいいと思う理想」を考えてもらう。「10点満点で何点?」「あるとしたら?」と聞くと教えてもらいやすい。
教えていただいたら、その後は「どんな状況?」「どうして、そうなっている?」「どのようになればいい?」など、質問を展開し、話してもらう。
 
※補足※
 
「特に問題はない」と言われてしまった時のアプローチ。そんな時は、聞き方を変えてみてください。「サービス面では?」「環境面では?」と対象を絞って、聞いてみてください。「分かりにくい質問で失礼しました。サービス面で、もっとこうなったら、と思うことはないでしょうか?」と。このようにお客さまが、答えにくい時は、「サービス」か「今の状況」を切り口に尋ねるといいでしょう。
 
●「サービス面」の不……コストを抑えたい、取り扱いが簡単だといい、効果が見えにくい、など
●「今の状況」の不……会社なら売上を増やしたい、人不足を解消したいなど。個人なら、もっと生活レベルを上げたい、もっと、成長したい、など。このように、お客さまに「問題に気付いてもらう」ことも、営業マンの介在価値の1つです。
 
Step3:リスクを知るステップ
 
次に「解決できないとどうなるのか」をお客さまに考えてもらう。このステップは、お客さまの問題の「緊急性」を確認してもらう(気付いてもらう)ために行います。
 
●聞きにくい質問になるので、クッション言葉を使うことがおすすめ。「当たり前のことを聞くことをご容赦ください。もし、その問題が解決できないと、どのような状況が想定されるのでしょうか?」
 
Step4:提案の合意を得るステップ
 
最後に、「解決策をご提示できると存じますが、いかがでしょう?」とヒアリングの「プレゼンテーション」の合意を得る。
 
●提案の合意を得る。「問題を解決する方法をお話できます。もし、よろしければ、いかがですか?」この流れだと、最初はニーズがなくても、ヒアリングを通じて、ニーズをつくることができるのです。
 
ぜひ、ヒアリングで気付きの機会を提供してみてください。

 
まとめ

一流の営業が売っているのは「商品」ではありません。お客さまの課題に対する「解決策」を提案する意識にシフトしておきましょう。
 
実は、提案にはレベルがあります。
 
提案の3レベル
 
●Level1:自社商品の「性能・機能」を提案 (商品案内のレベル)
●Level2:「他との違い」を提案(まだ、不十分)
●Level3:「お客さまにとっての利益(問題解決など)」を提案
 
提案すべきは、レベル3の「商品を通じて、お客さまが得られる利益」です。その意味でも、紹介したメソッドが役に立つとうれしいです。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >

 

 

■書籍情報

『できる営業は、「これ」しかやらない 短時間で成果を出す「トップセールス」の習慣』 
著者:伊庭 正康
出版社: PHP研究所
価格:1,650円(税込) 

この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。

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プロフィール

  • 伊庭 正康氏

    伊庭 正康氏

    株式会社らしさラボ 代表取締役

    1991年リクルートグループ入社。
    営業としては致命的となる人見知りを4万件を超える訪問活動を通じ克服。プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で、年間全国トップ表彰4回を受賞、累計表彰回数は40 回以上。

    その後、営業部長、フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。 2011年らしさラボを設立。
    リーディングカンパニーを中心に、年間250回のリーダー研修、営業研修、コーチング、講演を行っている。リピート率は9割を超える。

    著書は、『計算ずくで目標達成する本(すばる舎)』『できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ(PHP研究所)』『強いチームをつくる!リーダーの心得(明日香出版社)』『残業ゼロだからこそ目標達成!!本気でやるチーム時短術(明日香出版社)』など多数。

    その活動は、日本経済新聞、日経ビジネス、など多数のメディアでも紹介される。

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