TOP 敏腕キャピタリストの着眼点 出資の判断軸は「自分が転職しても良いと思える会社」かどうか:ジャフコ高原 瑞紀氏【後編】

2021/02/04

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第23回

出資の判断軸は「自分が転職しても良いと思える会社」かどうか:ジャフコ高原 瑞紀氏【後編】

  • 経営
  • 組織
  • ジャフコ グループ株式会社 関西支社 支社長 高原 瑞紀氏
  • 株式会社経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上 和幸

 

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日本最大のベンチャーキャピタルであるジャフコ グループ株式会社・関西支社支社長の高原瑞紀氏へのインタビュー。その後編では、いま注目すべき投資先企業や経営者を見る際のポイントなどをうかがっています。

 

企業や経営者を見るときのポイントは「やり続ける力」

井上 これまで多くの経営者の方と会われていると思いますが、高原さんなりの経営者の見方を教えてください。

 

高原 あまり偉そうなことは申し上げられませんが、継続力、やり続ける力は、すごく大事だと思っています。

 

例えば、先ほど申し上げた福井県の『ユニフォームネクスト』の社長様は、毎日欠かさずにブログや従業員の方へのサンクスカードを書くなどして、福井県という採用が難しいエリアだからこそどうやってエンゲージメントを高め、教育をしていくかということに絶え間ない努力をされている方です。その社長様からいただいた学びはたくさんありました。

 

井上 たしかにそれは大事な力ですよね。他にはどうでしょう?

 

高原 人を巻き込む力、人を自然と引き寄せていくような魅力は、事業の市場規模といったこと以外では、とても大事な要素だと思います。社長一人では事業はできませんので、いろいろな人が吸い寄せられていく方は、何となく勝ち筋の社長だという気はしますね。

 

井上 そうですよね。結局は、やり続けること、学べることができるかどうかですからね。

 

高原 だから、我々の仕事も、ご支援というと少し偉そうな感じがしていて、むしろ、いろいろ会社を見ていることから「アナロジーを活かしたアイデアをお出しする」ということに近いのかなと思っています。

例えば、「他の会社では似たようなケースでこういう意思決定をして、こういう選択肢の中からこれを選びました」ということをお伝えするだけで、ある程度の起業家ならば、自然と答えが出てくるものです。そこのアナロジーの引き出しをいかに多く持てるかが、私自身の介在価値なんだろうとは思っています。

 

この10年でキャピタリスト個人の力量がより問われるようになった

井上 ところで、この10年のいわゆるVCまわりの動静などを、高原さんはどのように見ていらっしゃいますか。

 

高原 ちょうど10年ほど前は、ベンチャー企業に流れる金額が今の8分の1くらいだったと思います。当時はお金の価値自体が相対的に高く、大きいお金を出してもらえるファンドはそれだけで優位な環境でした。運よくジャフコもそうでしたし、他にもいくつかそうしたファンドがありました。そこから10年の時が進むにつれて、いろいろなファンドが出てきて、ファンドの規模も大きくなり、ベンチャーやスタートアップに流れていくお金がどんどん増えていく中でお金の相対的な価値が落ちていきました。
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プロフィール

  • 高原 瑞紀氏

    ジャフコ グループ株式会社 関西支社 支社長

    同志社大学卒業後、2010年4月、株式会社ジャフコ(現ジャフコ グループ株式会社)に入社。中部支社にて、東海・北陸エリアのスタートアップへの投資・成長支援に従事。2018年2月より関西支社長。主な投資先としてオルツやティアフォー、ネクイノ、ACALL等を担当し、ソーシャルゲーム・SaaS・自動運転・遠隔診療まで幅広い業種への投資実行・成長支援に関与。IPO・M&AでのEXITの実績を持つ他、ファンドレイズの経験も有する。一般社団法人日本スタートアップ支援協会、大阪市スタートアップ企業支援プログラム、和歌山県アクセラレーションプログラムのメンターとして、起業家を支援する活動を幅広く行っている。

  • 井上 和幸

    株式会社経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年より株式会社リクルート・エックス。2010年2月に株式会社 経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 自ら2万名超の経営者・経営幹部と対面してきた実績・実体験を活かし、経営者力/リーダーシップ力/キャリア力/転職力/を劇的に高める【成功方程式】の追究と、その伝道をライフワークとする。