TOP 異能の経営者 ~ I know. ~ 【窪田良氏】「日本という国があって本当に良かった」と思ってもらいたい(Vol.3)

2021/02/02

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第36回

【窪田良氏】「日本という国があって本当に良かった」と思ってもらいたい(Vol.3)

  • 経営
  • キャリア
  • 経営者インタビュー
  • 窪田製薬ホールディングス株式会社 代表執行役会長、社長兼最高経営責任者 窪田 良氏

 

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「世界から失明を撲滅する」というミッションを掲げ、眼科領域の新薬や医療技術の開発に取り組んでいる窪田製薬ホールディングス。CEOである窪田良氏独特のポジティブな価値観が作られた過程を紐解く第3回。話題は、イノベーションの種を持ちながらグローバルな存在感を放つことができない日本企業に、今いちばん必要なことについても広がっていくーー。

 

(第2回はこちら

 

小学生時代の衝撃体験が奇しくも自己効力感に

――お話を伺っていると相当ポジティブな印象を抱きますが、子どもの頃からそうだったのですか?

 

僕は勉強ができない子で、通信簿でも5段階評価の1とか2しか取ったことがありません。そんな中、小学4年生の時に父の仕事の関係でアメリカに引っ越すことになったのですが、そこで強烈な人種差別にあったんです。

当時は、日米通商摩擦が起こっていて、デトロイトでは日本の車をたたき壊したりといったシンボリックな反日運動も盛んだった頃。「日本人は人まねをするばかりで、自分たちでは何も作れない」と言われたことも、日本人だからという理由だけで差別される対象になったことも衝撃でした。
向こうの小学校では5年生の時に「日本人がいかに歴史的にひどいことをしてきた民族か」という歴史教育の授業をするのですが、そんな環境の中でその授業を受けることだけは絶対に避けたかった。そこで、とにかく必死に猛烈に勉強しました。勉強して、勉強して、なんとか5年生をスキップしましたんです。

 

――とても勉強ができない方には見えませんが…(笑)

 

いえいえ、とても苦手だし大嫌い。とくに、与えられた課題を覚えてこなすというのが苦手です。それでも、「やるしかないと」なればやれるもの。今でも物覚えは悪いし、勉強に対して苦手意識は持っています。でも、そのときの経験で「必死にやれば何でも叶えられるんだ」とポジティブに考えられるようになった。生まれて初めて真剣に勉強をして結果が出せたので、成功体験として自己肯定感につながりました。

 

――仕事柄、リーダーのみなさんを心理学的な側面で見ることも多いのですが、やはり幼少期に成功体験を持っている人は自己効力感が高く、「未経験だけれどやってみよう」といった行動がとれるようです。窪田さんはその力が、突出してお強い方だとお見受けします。

 

大学院で緑内障の原因遺伝子を見つけたときも、多くの人は「世界の一流研究者がしのぎを削ってさがしているのに、学生が見つけるはずがない。F1レースに素人のドライバーが参戦するのと同じだ」「無謀な賭けだ」と散々言われました。
でも僕は、自己効力感を持っていたので「誰にでもチャンスはあるだろう」と思えた...

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プロフィール

  • 窪田 良氏

    窪田製薬ホールディングス株式会社 代表執行役会長、社長兼最高経営責任者

    「世界から失明を撲滅する」ことを目標に、様々な眼疾患に対する治療薬・医療技術の研究開発を手がけており、最近では、近視への効果が期待される「クボタメガネ」の開発に力を入れている。慶應義塾大学医学部卒。眼科医、医学博士。慶應義塾大学医学部客員教授。眼科臨床医として緑内障、白内障、網膜疾患などの執刀治療経験を持つ。緑内障原因遺伝子であるミオシリンを発見、神経変性網膜疾患の分野での功績が認められ「須田賞」を受賞。2002年、シアトルを拠点にクボタビジョン(Kubota Vision Inc.)を設立。2016年12月に本社機能を日本に移転、窪田製薬ホールディングス株式会社を発足。著書に『極めるひとほどあきっぽい』(日経BP社)、『「なりたい人」になるための41のやり方』(サンマーク出版)がある。 全米アジア研究所 (NBR)、シアトルシンフォニーおよびワシントン州日米協会の理事を務める。2019年には、NASAディープスペースミッションHuman Research Program (HRP) Investigator(研究代表者)に就任。