TOP 成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」 コロナ禍だからこそ「できることを誠実にやり続ける」。/『ポストコロナの経済学』

2020/12/25

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成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」

第134回

コロナ禍だからこそ「できることを誠実にやり続ける」。/『ポストコロナの経済学』

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成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」では、成功している経営者が注目している、読んでいる書籍をご紹介してまいります。
今回は、『ポストコロナの経済学』。本書の編集を手掛けられた、日経BPの沖本健二氏に見どころを伺いました。

 

 

書籍『ポストコロナの経済学』の企画が持ち上がったのは、2020年4月中旬、新型コロナウィルス感染症に対する緊急事態宣言(4月7日発令)のまっただ中だった。日本屈指のエコノミストである大和総研の熊谷亮丸氏に執筆をお願いし、ゴールデンウィーク返上で短期間のうちに一気に書き上げてもらった。

 

発行からはや半年が経過したが、熊谷氏の分析や見通しの的確さにあらためて感心させられるとともに、現在の状況を言い当てる指摘がいくつもあるので、本稿で紹介させていただこうと思う。

 

人類の感染症との闘いは長期化する

2020年12月、日本はいわゆる「第3波」に襲われ、新規感染者数が過去最悪を更新する日が増えている状況にある。秋頃には、感染者数は比較的落ち着きをみせていた。それを受けて、企業も徐々に在宅勤務から出社へと切り替え始め、「コロナ前の状況」が少し戻り始めた矢先の出来事だった。

 

人間側が少し油断をすると、それをとがめるかのように、感染者数が増える。それが、新型コロナウィルスの恐ろしさだ。

 

著者の熊谷氏は、本書を執筆した5月時点、本書の冒頭で次のように書いている。

 


 

「もう少し我慢して、新型コロナウィルス感染症が収束すれば、元の世界が戻ってくる」と、政治家は国民に呼びかける。だが、それは完全な幻想である。
人類が撲滅できた感染症は天然痘だけだと言われている。歴史的にみると、感染症の拡大とグローバリゼーションはセットであり、近年の地球環境破壊の深刻さなどを勘案すると、今後も人類は様々な感染症に悩まされ続けることになるだろう。
筆者は、人類の感染症との闘いは長期化することに加えて、ポストコロナの時代は、それ以前と全く異なる世の中に変わると考えている。

 


 

仮に、新型コロナウィルスのパンデミックが今後収束したとしても、また別の感染症が出現して、人類を悩ませる恐れがある。そのためコロナ以前に戻ることを考えるのではなく、感染症に対する耐久力(レジリエンス)のある社会・経済体制を急いで構築しなければならない、というのが、熊谷氏の主張だ。

 

リーマン・ショックを超える悪性不況

本書は、今回のコロナショックを経済面から多面的に分析している。比較的記憶に新しい大きな経済危機であるリーマン・ショックと、今回のコロナショックを比較すると次のような特徴があると指摘している。

 


 

筆者は、新型コロナショックとリーマン・ショックを比較すると、今回のほうが質的にはるかに悪性の不況だと捉えている。
まず、極めて単純化すると、いわゆる「ヒト・モノ・カネ」という経済の3要素のなかで、リーマン・ショックでは「カネ」が、新型コロナショックでは「ヒト」と「モノ」が止まった。
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