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2020/11/10

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第4回

大塚寿氏×井上和幸/中核人材として活躍していくなら、武器を増やし続けることが必要。(vol.2)

  • キャリア
  • 転職

 

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(第1回はこちら

中核人材として活躍していくなら、武器を増やし続けることが必要。

井上 話が戻るかもしれませんが、「個人の側として」というアプローチでお話していくとどうでしょう。

 

 

大塚 働く側としては、中核人材として頑張っていくのか、それとも、別の道に進むというオプションもあっていいと思うんですよね。

 

 

井上 いわゆるセカンドキャリアみたいな。

 

 

大塚 そうそう、転出するという意味です。やはり会社に残って中核人材として頑張るという前提であれば、自分の武器を最低でもひとつずつ増やしていくことが必要でしょう。

「私はこれのプロです」というのは当たり前のことで、それにプラスして、「プロ」とまでは言えないけれど、「これとこれとこれもできるよ」とマルチタスクに対応できるようになっていた方がいい。

例えば、技術者だったら英語が話せるだけで全然違うと思うんですね。

 

 

井上 そこには、変化対応といった意味合いもあるのでしょうね。

 

 

大塚 そうですね。世の中は変化してしまっています。一般総合的に、これという専門がなくやってきていると、採用面接で何ができるかを聞かれて「(営業)部長だったらできます」と答えたというジョークのようになってしまいます。マネジメントの専門職という概念が、「いやいやプレイングしながらやってもらわないと困る」というルールに完全に変わっているんですよね。

 

 

井上 経営者は領域を超えるということは、私も実務的に見ていて、ひとつの原理原則になっていると思います。では、大手企業のプロパーでずっと叩き上げてきているような意味合いで、「人事をやりました。マーケティング部署に行きました。営業をみました。支店をみました」といった感じでやってきた人に、「わが社の事業部長を任せよう」とか「役員にしよう」とは、やはり大塚さんがおっしゃっているような意味合いにおいて言いにくいでしょうね。

 

 

大塚 「売りは何?」と聞きたくなりますよね。

 

 

井上 ただ、ゼネラリストで、確かに経営的に立てる方も当然います。でも、失礼な話なのかもしれませんが、大手の役員の方は概ねそうなっていません。それは先ほど大塚さんがおっしゃったことで、ご自身で、方針なり、事業なりの「次の道」を選ぶということを意外としてきていないからです。変な話、プロモーションなどもトップから言われたことに忠実に従ってきていらっしゃる感じなんですね。

 

だから、これは余談になってしまうかもしれませんが、大手の執行役員などになられたような方からの転職相談を受けますと、「中堅クラスの企業の社長になりたい」とはおっしゃるものの、こちらが「どういうところの経営者をやりたいですか?それはなぜですか?」と伺うと、その質問に明確に答えられない人が多いです。答えられる方は、極少数です。

 

 

大塚 そうなんですか!?

 

 

井上 キャンディデートの方に、「何をしたいのですか?」とよくお聞きしますが、大手企業育ちで、ずっと一社でやってきている場合、答えられない方がほとんどです。

 

 

大塚 えっ? それは新鮮な話を聞きました。

 

 

井上 この話をすると大体の方は、「うーん、まあ、私の先輩だとあそこに行きましたね」という感じになるんですね。ただし、「先輩はこういう理由であそこに行っていて、それは自分にとってもこういう風に魅力があるから自分も行きたい」という話ならいいのですが……。

 

 

大塚 ある意味、他人事として語ってしまうということですよね、自分のことを。

 

 

井上 もちろん、ご本人は素晴らしい企業戦士でいらっしゃるのですが、会社の命令にとにかく忠実に従って、という感じですね。

 

 

大塚 世に言う思考停止というやつですよね。

 

 

井上 そうです。だから私は、いつもそこは時間をかけてでも考えていただくんですね。「今後のために、転職するしないは横に置いておいても、50代、60代をご自身としてどうしていかれたいのか? まず、WHATの部分とWILLの部分をちゃんと本音・本気で確認された方がいいですよ」とは、よくお話ししています。

 

 

大塚 井上さん、引退後に後悔している人たちというのは、まさにそこに原因があるんですよ。思考停止になっていて、自分は本当に何をやりたかったのかを考えていなかった。自分の人生を考えていなくて、会社の指示命令方針を的確にこなすという一生をやった結果、定年を迎えて、「さぁ!」となったときにそれを後悔している。「もうちょっと40代のうちに準備しておけばよかった」とおっしゃるんですね。

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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  • 大塚 寿氏

    大塚 寿氏

    エマメイコーポレーション 代表取締役

    1962年、群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、サンダーバード国際経営大学院でMBA取得。現在、オーダーメイド型企業研修を展開するエマメイコーポレーション代表取締役。「営業サプリ」監修者。著書にシリーズ28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』(ダイヤモンド社)、『50歳からは、「これ」しかやらない』(PHP研究所)、『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)、『<営業サプリ式>大塚寿の「売れる営業力」養成講座』(日本実業出版社)など多数。2023年秋オンライン研修「営業サプリ」から『アカウントマネジメントコース』リリース。

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