TOP イマ、ココ、注目社長! 自らも4人の子供を持つ起業家、おもちゃのサブスク『トイサブ!』で幸せな親子時間を増やしたい。【前編】

2020/07/22

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第101回

自らも4人の子供を持つ起業家、おもちゃのサブスク『トイサブ!』で幸せな親子時間を増やしたい。【前編】

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  • 株式会社トラーナ 代表取締役社長 志田 典道氏

 

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子供にぴったりの良いおもちゃを与えるのは難しいものです。それぞれ好み違いますし、仮に気に入っても成長すればすぐに飽きてしまいます。かといって、良い知育おもちゃは値段も張るので、何でも買うわけにもいきません。そんな親の悩みを解決したのが、株式会社トラーナが提供するトイサブ!』です。 

 

『トイサブ!』は、専門家が選んだおもちゃの中から、その子供の月齢(03歳児向け)や好みに合わせて隔月で6個のおもちゃが届き、気に入ったものについては、返却期限や延滞料金もなくレンタルし続けることができるサービスです。そのためユーザーの満足度も高く、継続率も97%という驚異的な水準を誇っています。 

 

ご自身も4人のお子さんを育てていらっしゃる創業者の志田典道社長に起業の経緯や事業に対する思いなどをうかがいました。 

 

(聞き手/井上和幸)

 

志田社長は1983年生まれ。明治大学法学部に進学後、しばらくは法律の勉強に勤しんでいましたが、ビジネスコンテストを主催するインカレサークル「WAAV」に参加したことでビジネスの面白さに目覚め、在学中に同サークルで知り合った友人と株式会社デコラボ(Web・紙媒体の開発と制作)を創業します。(ちなみに、同サークルは多くの経営者を輩出しているそうです)。 

 

月商は多いときで2300万円くらい。卒業後もそのまま続ける道もありましたが、志田さんは事業を譲渡して就職することを選びます。 

 

新卒で入ったのはトレンドマイクロ社。同社でエンジニアを2年半ほど経験した後、中磊電子股份有限公司の日本法人立ち上げに参画プロダクトマネージャとしてハードウェアOEM/ODMのマーケット開拓、プロジェクト管理を担当されました 

 

そこからF5ネットワークスジャパン(US企業)Optiva(カナダ企業)、AdRoll(US企業)などを経て、2015年、32のときに株式会社トラーナを設立ています 

起業した理由は、学生時代の楽しかった起業経験をふりかえり、「またやりたいとの思いがずっと胸にあった」こと、また各社でさまざまなキャリアを積んでいくうちに、「外資系キャリアの天井が見えてしまった」のも、1つのきっかけだったそうです。 

 

社を設立した2015年。まだ会社員時代であり、そのときには知育おもちゃの定額制レンタルサービストイサブ!のアイデアは固まってはいませんでしたがまずは箱をつくっておき、自分が本当にやりたいビジネスを探すつもりだったといいます 

 

30年前と変わらないおもちゃ売り場で感じた違和感 

――『トイサブ!』のアイデアができたのは、どんなきっかけなのですか 

 

志田 当時、2人目の子供が生まれていたのですが(お子さまは現在4人!)、おもちゃを買ってあげようと思い、お店に行って売り場を見たときにすごく違和感があったんです。それが『トイサブ!』というサービスの原体験になっています。 

 

――そうなのですね。ちなみにそのお店での違和感とは、どんな違和感だったのでしょう? 

 

志田 この30年間自分は変わっていったのに、おもちゃの売り場変わっていなかったことですおもちゃ自体もそうなですが、コンテンツが昔のアニメや特撮モノと変わっていなかったんですね。 

 日本のおもちゃ業界はコンテンツに依存しすぎていて、IPコンテンツの企画が出てきたらそれに対してをつくっていくようなアプローチをしているところがあります。 

 

しかし、親の目線からそれを見たときには新しい時代を生きているのだから子供にかつて自分が見たものと同じコンテンツ見せるのは私は思いました 

 そこで、そうしたIPコンテンツに直接関連しないおもちゃを探したら、あるにはあったのですが、けっこう値段が高いんですねまた、買っその子が遊ぶかどうかわからないし、遊んだとしても子供が成長するとすぐに飽きてしまうという問題もありました。 

 

そんな中、会社員としての最後の仕事でzuora』というサブスクリプションビジネスの会社がアメリカから日本にやって来るという情報があるうなったときの対応策を考えろという指示を受けました。 

それでzuoraのことを調べていくうちに、おもちゃはサブスクリプションという考え方にすごくマッチするな」と思いついたんです。  

本インタビューはzoomにて行いました。 通常の写真と異なりますことご了承ください。

――なるほど、絶妙な気づきと、それに結びつく情報との出逢いですね。実際にビジネスのアイデアが浮かび、それを形にするまではどのような流れだったのでしょうか。 

 

志田 起業して1週間くらいでサブスクリプションに関する気づきがあり、2週間後ぐらいには、「これで行こう」と決めて、『トイサブ!』のサービス紹介のウェブサイトもつくっていました。 

 それからいろいろな調査したり、友だちにインタビューしたりしながら、決済システムなどを連結させ、おもちゃも仕入れて、実際に『トイサブ!』としてユーザーに出せるようになったのが、2015年の9月くらいだったと思います。 

 

ただ、何の拡販などもしていなかったので申し込みは全然なくて、確か10月に第1号の申し込みが突然来て、「やばい!注文が来た!」と(笑)。そこからスタートという感じでしたね。 

 

――サービス開始時にはいろいろご苦労もされたと思いますが、印象深い当時のエピソードはありますか。 

 

志田 1人目のお客さまには、私が自分で届けに行ったんです。そうしたら不在だった(笑)。それで「どうしよう?」と思って……。 

後で考えれば宅配便を使えばいいだけのことですが、今の自分では考えられないような謎の行動をたくさんしていましたね(笑) 

 

――それは!ちなみにエリアはどこの方だったのですか? 

 

志田 渋谷区の方でした。届けられる距離だったので、スーツ着て段ボール持っていったのですが…… 

 

――いてほしかったですね 

 

志田 そうですね(笑)。その後、サービスのご感想などもうかがいたかったのですが、そのお客さまは、私がメールで何回もコンタクトを取ってもお返事がない方でした。ただ、サービスはちゃんと1年半くらい続けていただけました。 

 

――お子さんが大きくなられるまで満足されて利用してくださったということですよね。『トイサブ!』がこれだけ話題の事業になり、いずれは上場もされると思うので、機会があれば、ぜひ当時のお話をお聞きしたいですよね。 

 

志田 はい、ぜひお聞きたいです。あんなボロボロのウェブサイトから申し込もうと思われたのですか」と(笑) 

 

――先ほどの話に戻りますが、子供のおもちゃに関しては、お金の問題も含めて、どれを選んでいいかわからないところも多いので、「自分が知っているおもちゃなら安心して与えられという気持ちもわかる気がします。 

 

志田 良くも悪くも親から子へ脈々と続くものはあって、私はコンテンツもその1つだと思っています。自分が子供の頃に見ていたからそれを子供にも見せるのは、今までの流れから安心感があると思うのですが、その一方で、古いコンテンツは今の時代の価値観に合っていない部分もあると私は思っています。 

 

これは賛否両論ある問題だと思うですが、例えば、昭和の時代は、戦争から始まって、富める者と貧しい者、男と女、正義と悪、強者と弱者みたいなのをきっぱりと分け、二極論に持って行くことによって、社会の安定を図っていた部分があると思います。 

 

しかし、今の時代もう二極化などではなく、規模の小さ者たちが有象無象に存在する、多様な時代に変わってい昔のコンテンツ時代に合っていないと思うんです 

 

――その話はとても興味深いですね。今の時代の多様な価値観で生きている若い親たちの中には、20世紀の価値観を引きずったおもちゃで遊ばせることに対する違和感を持つ人もいるでしょう。 

 

志田 マーケティングが上手い部分もあるので、もちろん、そこに全く違和感を持っていない方もたくさんいらっしゃいます。ただ、少しずつ私と同じような感性の人は増えて来ていると思います。 

 

――そうすると御社で取り扱うものは今の志田さんのお考えが反映されているわけですか 

 

志田 あると思います。例えばうちはアニメーションになっているものは扱っていませんし、サービスとしてお客さま向けにおもちゃを選ぶ際にはジェンダーなどあまり意識しないで伝えています。 

 我々のサービスの良いところで言うと、その子供さんがどういうおもちゃで遊んだかはデータでわかるので、それであれば次はこんなおもちゃ」と提案できます 

 

そこに男女といった性別あまり関係ないし例えば、好きなおもちゃが一般的な年齢では決まらないお子さんもいます。サービスに使うおもちゃを選定している人たちも、「多様かつ線引きを明確に過ぎないような感じで暮らしてほしい」という我々の思いを受け継いでくれていす。 

 

 (後編へつづく) 

(構成・文/津田秀晴

プロフィール

  • 志田 典道氏

    株式会社トラーナ 代表取締役社長

    1983年生まれ、東京都出身。4児の父。 明治大学法学部法律学科卒業。大学時代に友人とメディア制作事業で学生起業し事業を譲渡。その後トレンドマイクロでエンジニアを経験後、中磊電子股份有限公司の日本法人立ち上げに参画。プロダクトマネージャとしてIPネットワーク製品部門の立ち上げ、ハードウェアOEM/ODMのプロダクト開発、マーケット開拓、プロジェクト管理を担当。その後Optiva(カナダ企業)、AdRoll(US企業)等でアカウントマネージャ、エンジニア職を経てトラーナを創業。